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宿屋と貨幣価値

やっと宿、

 「お待たせしました、ナオト君。こちらが代金の金貨二枚です。じゃあ行きましょうか」


 ギルドの制服のまま案内の為、前を歩いて行くサラシャさんに訊ねてみる。


 「かなり早かったですけど大丈夫ですか?」


 「大丈夫。ギルマスにも今日初めて街に来た新人さんを宿まで案内して上がります、と伝えてきたから」


 「良くして下さってるサラシャさんにご迷惑をお掛けしてないといいのですが」


 「あ~大丈夫、大丈夫、この街顔見知りばかりだから、融通は結構利くのよ」


 例にもれずギルドの受付嬢の彼女は、物語通りの美人さんなのだが、初めの印象と違い、かなりしっかりした方の様だ。最初の慌てふためいた態度が嘘の様に、今は街の色んな事を通りながら教えてくれている。その中には武器屋や防具屋も含まれていた為、明日あたりさっそく行こうと考えている。そうこうしているうちに、目的の場所に到着したのか、一軒の建物の前に立ち止まり振り返ると、


 「ナオト君、ここがお勧めの宿屋よ。さあ中に入って。ただいま~母さん、お客さん連れてきたよ~」


 「え?」


 「お帰り、サラシャ。と、ようこそお客さん、双樹の憩い亭に。食事かい?宿泊かい?」


 「一応泊りの予定ですが、ただいまって?え?」


 「ここ、私の実家なんです。よろしくね、ナオト君」


 「あ、そうなんですか、こちらこそよろしくお願いします。で、この国自体初めてなもので、通貨の価値と宿泊費を教えて頂いても?」


 「通貨はね、銅貨、銀貨、金貨、白金貨とあってね、銅貨十枚で大銅貨、大銅貨十枚で銀貨、銀貨十枚で大銀貨みたいな感じで、十枚毎に大の付く貨幣に、百枚で一つ上の硬貨にという感じで覚えて貰ったらいいと思うわ。で、うちは食事付きで銀貨五枚というとこね」


 「サラシャ説明有難うね。で、ナオト君かい?何日泊まる予定だい?」

 

 「取り敢えず、金貨一枚分で泊まれる間予約できますか?」


 「こっちとしては有り難いけど、お金は大丈夫なのかい?」


 「母さん失礼よ。ナオト君こう見えて、期待の新人なのよ。それぐらい余裕、余裕」


 「サラシャさんがそう言ってくれているので、改めて、ナオトと言います。暫くお世話になります。これ代金です」


 「う~~~ん、すごくいい子じゃないかい。気に入ったよ。私はサラシャの母親でミリアというもんさ。旦那が厨房で料理人をしてるんで後で紹介するよ。許す限りこの宿に泊まっていってくんな、部屋は二階の一番奥、二〇八号室でこいつが鍵だ。出掛ける時は私に預けてくれるといいよ」


 「はい、判らない事があったら訊ねると思いますのでよろしくお願いします。さっそく部屋に行きますね」


 「ああ、もうすぐ夕食の時間だから少ししたら降りておいで」


 「判りました~」


 階段を上がり部屋へと向かっていると後ろの方で、


 「我が娘ながら、良い子を捕まえてきたじゃないか。中々見る目があるね~」


 「そうでしょ、そうでしょ」


 楽しそうに話す親子の会話が聞こえてきた。他にも宿泊客が居るのかな?そんなことを考えつつ与えられた部屋へと入り、整えられた布団の上にダイブした。布団の上でさっきの通貨について考えると、大体向こうの価値観で、銅貨が十円、銀貨で千円、金貨で十万円て感じかなと理解した。

 その後はある程度の時間を見計らい下の階にある食堂へと行き、料理を作ったミックさん(ミリアさんの旦那さん)を紹介された後、食事を頂いた。肉の煮込み料理みたいなのだったが結構おいしかった。異世界料理なのでどんなものが出て来るかと思っていたが、向こうの料理と遜色ないどころか、自分が料理するより明らかに美味しかったので、向こうに用事のある時以外は転移を使わず、ここから通うかと考えつつ、今日の日課の身体錬成を発動しようとした時、


 <顔への錬成は学校の皆の反応を見るまで暫く中止で良いと思います。手足の方の延長も180cmまでではなく、あえて178cmで止めておくことを推奨します。すべて完璧だとねたまれる恐れありと今日の状況を鑑みて進言させていただきます>


 <まだみんなに視線を逸らされてたんでまだまだだと思うけど、ケイさんが言うなら信じて、じゃあ自分的に足を五cmで腕を三cmのバランスでエディト画面で伸ばす事を思い浮かべながら身体錬成してみるよ。で、そのサイズまでいけたら、その後は?>


 <まずは胴体の胸を厚く、腹筋を鍛えてある感じのイメージで身体を絞り込むようにメイキング。本当に理想に近づいたらそれからは、魔素を身体になじませる感じで錬成を繰り返せば、より身体を強化でき、こちらの高レベル冒険者の肉体に近づけると思います。>


 <うん、手足の長さを希望のとこまでもっていけたとしても、まだまだ先が有る事が判ったよ。まだまだ努力の余地は十二分にあるという事だね。>


 <そのように思います。>


 <うん、努力を忘れずに頑張るよ。では身体錬成。>


 そう唱え、その日は眠りにつくのだった。

よろしくですです。

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