表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から引っ越してきた聖女です。  作者: 金木犀の夢華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/599

咲耶と忘れられた人物


「自己紹介は終わったみたいですね? じゃあ、話は食事でもしながらでも大丈夫そうですか?」


部屋の奥から顔を出した咲耶が、クロガネに問い掛ける。


「はい。若干1名が立ち直っていませんが、咲耶様の食事を食べれば元に戻る筈。」


「いや、その前に酒をよこさんか。これっぽっちじゃ全然足りんわい!」


少し赤みがさした顔のクルードは、隣に座るカザミの腕を強く揺さぶる。


「ホンにドワーフときたら、酒好きで困りますわぁ〜。程々という言葉をしりまへんのか?」


呆れつつも自分の荷物の中に手を入れ、酒瓶を取り出してやるカザミ。


「これじゃー! 咲耶様の故郷で造られとる、コイツが美味いんじゃ!」


瞳を爛々と輝かせ、1人で呑み始めるクルードに、クロガネが横から瓶を取り上げる。


「クルード。酒盛りは話し合いが終わってからにしてはどうですか? それとカザミ、クルードにお酒を与えてはいけません。酒で身を滅ぼす典型的な良い例です。それに、咲耶様の料理を味わいたいのなら、この場では嗜む程度にしておきなさい。」


「そうか……、そうじゃな。咲耶様の料理を楽しめんのは嫌じゃった」


クルードも納得して、大人しく料理が出されるのを待つ。


「さて、いつまで呆けているのです? 咲耶様の料理を食べ損ねますよ?」


クロガネの言葉を肯定するかのように、鼻をくすぐる美味しそうな匂いが漂ってきた。


「クロガネさんか、カザミさん。1人じゃ持っていけそうにないから、手伝ってくれませんか〜?」

「はいな〜、咲耶はん。手伝いはウチが行ってきますから、この場は任せますわ〜」


クロガネが止める間も無く、そそくさと咲耶の元に消えるカザミ。そう、混沌とし始めたテーブルから逃げたのだ。


面倒ごとをなすりつけられたクロガネは、深いため息つき、手元にある酒を景気付けに煽る。一つ気合いを入れ、まずは客人のカンザールの相手を務める。


「カンザール殿、いつまで放心しているのですか? 早く戻ってこなければ咲耶様の料理を食べ損ねますよ?」


「あ、ああっ。色々と驚かされて、言葉を失っておりました。そのー何というか……」


「我々の素性が知りたいのでしょう? とりあえず、食事をしながらにいたしましょう。ほら、咲耶様のお手製料理がきたみたいですしね」


美味しそうな香りがクロガネ達のいる部屋に流れ込む。嗅いだことのない匂いに、食欲をそそわれる。


「お待たせしました。あり物で作ったので、あまり期待しないでくださいね。」


咲耶とカザミが大皿を持ってくる。湯気がたつ色とりどりの食べ物に、カンザールは唾をのみこんだ。


「慌てんでも沢山つくってはるから、ゆっくり味わいーな。」


自分で作ったわけではない筈のカザミも、自慢げに胸を張る。


そんな様子を酒の摘みに呑むクルード。だが、何か忘れているような気がしてる。


「なんじゃったかな。ふーむ……」


腕組みながら悩むクルードに、咲耶が食事を皿にもりながら問う。


「どうかしましたか? 早く食べないと冷めてしまいますよ。」


「いや、何か忘れておる気がするのじゃが、なんだったかーー」


クルードの呟きに、咲耶も首を傾げる。


ーーーあ⁈ーーー


咲耶とクルードが顔を見合わせて思い出した時、勢いよく扉が開く。


「オレを退けもにするとか……あんまりだ!」


肩を怒らせ、仁王立ちするドゥーロがそこにいたーー




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ