咲耶とバーの集会
「ホワイト殿。そちらの女性が?」
「ああっ、オレが所属している所のリーダー、咲耶という。本人は至って戦闘とは縁のない女性だ。まあ、主に育成や生産、商品作成を受けもっている。」
「ほう。興味深い能力ですな? そして、他の方々はどの様な役割を」
咲耶の横に並ぶ2人を言っているのだろう。ホワイトが1人ずつ紹介してゆく。
「黒い奴がクロガネで、もうひとりは見て解る通り、ドワーフ族のクルードだ。あと、1人いるんだが、別の場所で居残り中だな。」
「クロガネ殿に、クルード殿ー
こんなむさ苦しい場所にお越し頂き、ありがとうございます。そしてー」
カンザールはカウンターから出てくると、咲耶の前で片膝をつきこうべを下げる。
「お初にお目にかかります。高貴なる方」
洗練された挨拶。だが、初めて会った人物に対しての挨拶としては大袈裟すぎた。
「立って下さい。一般人の私にその様な仰々しい挨拶は必要ありません。」
「いや、普通の方な訳があり得ないですな。今日一日この街で起こった現象は、その御身から溢れ出す神気が関わっているのでは? そうでないと、説明がつかない事がらが起こりすぎた。」
カンザールは咲耶達をみわたし、自分が感じ取った事を挙げた。
「まず、ロウハの庭先で起こった大地への力の譲渡。エルフ族が使う癒しの歌に近いものを感じました。」
「やっぱり感じとっておったか。流石エルフ族というところかのぉ。いかん、名乗るのが遅くなった。ドワーフ族のクルードと言うものじゃ。咲耶様のサポート役をしておる。」
カンザールを立たせながら、クルードが隣のクロガネに視線を移す。クロガネもその意味を読み取り自己紹介をする。
「はじめましてエルフ殿。咲耶様の秘書を務めているクロガネと申します。お見知りおきをー」
モノクルを触りながら挨拶をするクロガネに、カンザールも丁寧に対応した。
「はじめまして秘書殿。酒場を営んでいるカンザールと申します。」
お互いに似通う空気を出す2人。ちょっと面倒だなぁ〜と感じるホワイト。
「さて、今宵はこのカンザールに何か御用がおありとか? ホワイト殿にはたくさんの頂き物を頂戴しておりますので、出来る限りの事は力になりましょう。」
ニッコリと笑うカンザールに、ホワイトは何をしたのだろう。後日、感の良いクルードに質問攻めにあうホワイトであった。




