咲耶とホワイトの実験
あれから咲耶たちは、白木蓮と林檎の苗木をどこに植えれるか? どれくらいの数にするべきかを話し合った。だが、根を張る大地が栄養不足だという事と、水源を作らないといけないこともあり、この場所に数本を植えると言う事で話がついた。
「じゃあ、オレとハヤテで、咲耶様の庭に取りに行ってくるけど、この場所で咲耶様の家がある空間に行っても大丈夫なのか?」
町外れの見晴らしの良い場所でも、誰か見ているかもしれないと言いたいようだ。
ホワイトは内心で多少の評価を上げることにした。問題ばかりを起こすが、成長しているようだなっとー
「仕方ないな、オレの幻術で不可視の結界を張ってやるから、安心して行ってこい。」
「え? 地球の魔法を見せてくれるの?」
勢いよくホワイトに抱きついて、今すぐ見せて欲しいと訴える様子は、散歩に行く前の犬みたいだ。姿のない尻尾が見えそうである。
「はいはい。言っとくが、オレの幻術はお前達が使う魔法とは違うからな。」
「うん。だから、早く見せてよ? ねぇって〜」
(本当に犬にしか見えないな……)
憎めない性格のドゥーロに、ため息が漏れる地球組だった。
「陽炎」
ホワイトが小さく呟き、指をパチンと弾く。
咲耶様がいる周囲に、ゆらゆらと揺らめく光の粒子が集まり、空間を歪めて外側からの視界を歪める。
「なんか、カッコいい!」
「あーー。興奮する暇があれば、さっさと行ってこい。で、苗木を増やす作業もやっとくんだぞ?」
黙ってうなずくドゥーの足元に、簡易的な扉の絵を描いてやるホワイト。
その様を見ていたクルードが話しかける。
「さっきからお主は何をしとるんじゃ?」
「咲耶様の庭に続く道を作ってるんだよ。お前の言いたいことは分かってる。」
黙ってみてろと言い包めると、ドゥーロの
片手を大地に押し付ける。次の瞬間ーー
「わぁ⁈」
悲鳴に似た声を残して、その場から姿を消したのだったーー




