咲耶と白黒コンビ
「ホワイト、この世界の者に妖術を使うとは、何を考えているのですか?」
「ん。あれぐらい妖術を使ったとは言わない。それに、魔法の類に幻影を見せるやつがあるから、それと勘違いしてくれるさ」
合流して直後、異界組の2人は口論になる。
「甘いですね。記憶の消去をすればこれ以上の問題は起こらないと言うのに……」
腕を組み、壁に寄りかかる様にして相手の言葉を聞き流すホワイト。
そんな飄々とした態度に、クロガネが苛立ちをみせる。
2人が今いる場所は、ホワイトが絡まれた場所から少し離れた場所にある、枯れた噴水らしきものがある場所だった。
「貴方は不用心すぎます。いくら貴方から絡まれたとしても、この世界の物には免疫のない妖術は、命取りになりえますよ」
「そんなドジを踏むオレじゃない事ぐらい、お前は分かってんだろ?」
ニヤニヤ笑いながら、肘で隣に立つクロガネを突くホワイト。尻拭いをするこちらの身になってほしいものだ。と、頭を痛めるクロガネであった。
「とりあえず、口論はここまでです。咲耶様をこれ以上待たせるには申し訳ない。ホワイト、後でたっぷり話し合いましょう。」
「えーーー、本気か?」
嫌そうなホワイトに、クロガネのモノクルが光る。
「時間を作ってもらえなければ、咲耶様に今回の事をご説明する迄です。」
「それはないだろ? ちょっと妖術を使ったぐらいでさ。」
咲耶に今回の事を告げ口されると、自分の印象が悪い方に取られかねないと思い、渋々了承した。
「ああっ。こんな無駄話のおかげで、咲耶様をかなり待たせてしまっている。早く向かいますよ?」
「はいはい……」
ホワイトはクロガネに強制的に集合場所へと向かうのであったーー
クロガネ達が向かった場所は、街の中心部とは真逆の枯れた樹々が立ち並ぶ町外れ。
2人が見つめる先にいたのは、枯れた樹の幹を優しく撫でる咲耶の姿であった。
『咲耶様!』
ドゥーロ達と何か会話していたのだろう。クロガネ達の声に驚き振り返る。
ニッコリ笑いかける咲耶に、つられて笑顔になる2人だった。




