閑話 ギルドの常連達
ーーおい。知らない奴が入ってきたぞーー
ーーん? ああっ、あいつなら知ってるぞ。
突然この街にやって来て、ロウハやカンザールを手懐けた奴だろ?ーー
ーーは? オレは、初めて見る女とドワーフの連れが、ロウハの所に入るのをみたぜーー
ギルド内に併設されてあるテーブルで、強面のグループが酒を酌み交わしながら無駄話に余念がない。
そんな連中を冷めた眼差しで観察するのは、ホワイトの受付を担当した獣人、サマナという。サマナは雑務をこなしながら、周囲の会話に耳を傾ける。色々な情報に詳しくなくては良い受付係とはいえない。
ーー白いアイツの装備品、なかなか良い物を装備してなかったか?ーー
ーーお前又、指導とかいって、何時もの場所に連れ込んで殴るつもりだろ?ーー
ーーそんなお楽しみなら、オレも加えてくれよ? でも、お楽しみなら女の方と仲良くしたかったぜーー
ーー違いねぇ……ーー
下卑た笑いで盛り上がる連中に、サマナは聞こえないフリをしつつ逐一観察する。
ギルド内の問題点を見つけ出すのも、サマナの仕事の内であるのだ。
新参者にちょっかいを出すのは多目にみるが、女性にまで手を出すとなると、話がかわってくる。
(面倒ですが、気をつけおく事にしよう。でも、こんな寂れた街に、次々と旅人が訪れるなんて……)
何かが始まろうとしている。サマナは、本能的に感じ取っていたのであったーー




