咲耶と扉の認定方
すみません、かなり遅れての更新です
『咲耶様以外の者たちって、ほんとに文句ばかりで嫌いだよ。』
竜は咲耶達の前に映像化して現れると、自身の持つ鋭い牙で皮膚に薄い傷をつけ血をだす。
「先程、君は私の血でも大丈夫だといってたけど、やり方は難しいの?」
『ううん。だって、血を塗りつけるだけだもん。咲耶様もさっき手の平が少しだけ濡れた感触があったでしょ?』
「ええ。でも、すぐに乾いて手の平は綺麗なままだよね。」
『うん。血が見えたりしたらまた文句言われるし、それに必要な量は、一滴もいらないもん。』
まだ拗ねた口調の竜を宥めながら、咲耶は血を受けた後の変化を尋ねる。
『今の咲耶様はどこにも変化は起こってないよ。見た目だけはね。でも、出入り口に意思を持って触れた時、手の平に付けた血が発動して空間を繋いでくれるよ。』
簡単に言うとこう言う事だろう。例えば、ロウハの宿屋に部屋を借り、その扉を咲耶様の家がある水晶球の空間と繋ぎたいと思いながら扉に触れたら………
『そう言う事だよ。だからいったよね、扉は無限に造れるって。』
やっと理解出来たクロガネ達は、咲耶の手の平を触らせてもらいながら、変化のない手を喰い入るように見つめる。
「でもじゃ、竜殿。ワシとしては、扉を通れるようになった瞬間、何か目印となるものが現れてくれると有り難いんじゃが、無理か?」
『ううん。僕の血だから簡単だよ。』
竜はそう言うと、クルードの手の平にちょっとだけ血をつける。だが、塗っただけでは何も起こらない。竜はクルードに対し、先程説明したように思い描く様に促す。
するとーー
熟練者と分かるゴツゴツの手の平に、竜の絵姿が浮き上がったのだ。




