咲耶と動きだす仲間達
「さて、ホワイトの目的地は決まったとして、こちらの大所帯はどこに向かうべきですか? クルード、舞い戻ると決めたからには、何か考えがあるのでしょう?」
クロガネの質問に、当然だとうなずき返す。
「ワシの漠然とした勘なんじゃが、クルクリの一部は確かに回復したじゃろい。だが、応急処置を施したあの庭の樹の力は間違いなく吸い取られるじゃろう。」
「もしかしなくても、世界樹にですか?」
当然だとうなずくクルードだが、別の要因も絡んでると思っていた。
「何か思い当たることがあるのか?」
「あくまでも予想じゃが、この地に住む住人達の諦めの負のエネルギーが、崩壊に拍車を掛けているのは事実じゃ。わかったとしても……」
「ええっ、今すぐに改善出来る筈もないですね。」
クルード達の容赦ない言葉に、ドゥーロは顔を背ける。そんな落ち込む横顔に、咲耶が意外な提案を持ちかける。
「人々の負のエネルギーが、崩壊に向かう要因ならば、少しでも笑顔になれるような事をしたらどうかな? 例えば、私達の世界の樹を植樹したらどうかな。ちょうど、ガイア様と練習で芽吹かせた桜の苗木があるし……」
咲耶の提案に、クロガネは行動をしてみる価値があると思うが、咲耶に負荷がかかりすぎるのも見逃せないのであった。
「やってみても良いですが、咲耶様ばかりにまかせるのはどうかと思います。」
「じゃあ、オレも手伝うから、見捨てないでくれよ……」
クロガネの服を握りしめ、必死の表情のドゥーロ。そんなドゥーロに目線をあわせながら、咲耶が優しく話しかける。
「見捨てる気ならば、最初からこの世界に踏み込みはしなかったよ。今、私達が出来る最善の方法をとりましょう。ね、ドゥーロ」
周りの人達に励まされ、ドゥーロは力強く頷いたのだった。




