咲耶とドゥーロの心情
トリフェーンの世界には、地球上では空想上の生き物達が生息していた。竜・精霊・妖精・幻獣、そして魔族と人。
竜族には自然界の元素により、いくつかの種族が生まれた。火龍・水龍・地龍・風龍・黄竜。
トリフェーンの神を護りしは黄竜。その下に従うのが火・水・地・風の竜族である。
竜族には長が存在し各々の竜族をまとめている。
ドゥーロは、その地龍の長であるカーリアンより命を受け、地球の神の元に送り込まれたのだと話す。
「カーリアン様は、オレ達のようなドライアドや樹や大地に属する植物の精霊・妖精の守護者でもあるんだ。
だから、世界樹が枯れてしまった今は、カーリアン様が世界樹に力を注いでくださっている。」
だから、トリフェーンは滅びの運命の一歩手前で踏み止まれているのだという。
「ですが、この世界の維持は全属性の長が動かなければ不可能なのでは?」
「もうそうしてるよ。世界樹に力を注いでいた竜脈が弱くなってきたから、そのポイントに各長が眠りながら魔力を送り込んでるよ。じゃないと、すぐに魔力が枯渇して滅んでしまうからさ。」
ドゥーロは自分が無力なのだと痛感していた。ただの樹の妖精では、大事なカーリアンの力にはなれないのだ。
「だから、カーリアン様たっての願いで、咲耶をこの世界に呼んだんだよ。」
この世界にも差し迫った事情があるのは分かった。
「じゃがのぉ、ドワーフの意見として聞いてもらいたいんじゃが、世界樹を再生させるには膨大な魔力が必要不可欠じゃ。今の咲耶様には荷が重すぎる。そこでだが、小僧の主人が守る地に赴き、まずその地龍殿の回復と竜脈の再生、もしくは回復を行うのが良いとおもうがの」
クルードの提案にカザミが口を挟む。
「向かうのは構いまへんが、ドゥーロはんは場所を知ってるとは思えまへんなぁ〜」
これまでの言動を思い出し、ドゥーロはこの世界への扉の役目を与えられたのだろうと推測したようだ。
「そうですね。ドゥーロくんは、地龍殿が治めていた地より出たのは、今回が初めてでしょう。でなければ、ドライアドはもう少し落ち着いた思慮深い一族のはずです。」
『もー、焦れったいな〜。烏くんはこう言いたいんだろ? 咲耶の力を借りた竜の眼なら探知出来るだろって?』
「はい。お願いできますか?」
クロガネの言葉に、皆の視線が咲耶に集まった。
「わかりました。すぐに力を送るから受け取ってね」
水晶球に触れながらの咲耶の言葉に、ドゥーロは破顔して礼をいうのであった。




