咲耶と深まる謎
咲耶達の前に姿?を表したのは、手のひらにのるくらいの水晶球だった。
咲耶は軽く触れながら、試しに尋ねてみる。
「さっき、私たちの会話に加わった声の主は、水晶のあなたのなの?」
『うん、これは仮の姿だよ。本体は、ガイア様と咲耶様の力で生まれた竜さ。』
淡い発光を繰り返す事が、返事をしている合図のようだ。
面白い物体が現れたと、ドワーフの血が騒ぎだしたクルードは、軽く叩いてみたり水晶球の中を覗き込んだりし始める。
『ちょっと、へんな所触んないでよ。一応、竜属なんだから、怒ったら怖いんだよ?』
「ほうほう、どんな事が出来るのかの。ますます興味が湧くわい。」
クルードは持ち上げて光にかざしてみたり、息を吹きかけたりしている。
『やだよー。この髭の爺さん嫌いだ!』
クルードの魔手から逃げ出すように、咲耶やクロガネの後ろに逃げ隠れする。
「クルード。玩具を得た子供みたいに、はしゃぐのはやめなさい。それでは、ドゥーロくんと同じレベルですよ?」
「それはいかん。彼奴らと同格にされては、ワシのプライドが許さんわ」
すまんすまんと頭をかきながら、、咲耶の手の上に水晶を乗せた。
「はぁ〜。このメンバーは、余程横道に逸れるのが好きらしいですね?」
「なんだか、先が思いやられるわぁ〜。」
クロガネの呟きにサガミが相槌をうつ。
「それにしても、考える手間がなくなって良かったと思うべきやないの〜。」
なぁ咲耶はん。と、話し掛けられた本人は、別の事を考えていた。
(狐属なのに、何処かの方言が混ざった話し方をするんだ。まあ、あからさまに「コン」
とかは言わないよね。)
「咲耶はん、何か良からぬ事を考えてまへんか? ん〜。」
咲耶の頬を両手で引っ張り、ニンマリと笑う。
「いひゃいです。」
これは完璧にバレてるとみて良さそうだ。咲耶は素直に謝った。
「ごめんなゃひゃい……」
「まぁ、最初ですから許しまひょう。」
2度目は無いと無言で見つめるサガミに、クロガネが助け船をだす。
「これ以上は本当に脱線しそうなので、話しを戻します。竜殿、あなたはこの水晶球をトリフェーンの何処に運んでくださるのですか?」
『それはね、咲耶の答え次第だよ!』
ーー自分の答え次第ーー
とは、どういう事だろう?
首を傾げる咲耶であった……




