咲耶の覚悟
「ほんっと〜に、貴方たちときたら、こんな所で休憩なんかしてるけど、私が頼んだ仕事は終わらせているんでしょうね⁈」
眉間に深い皺を寄せて、ドゥーロに聞くが、
「もちろん。渡された袋に入ってた水晶は、咲耶の住んでいる場所を囲む様に、地面に埋め込んできましたよ。」
ガイアに思いっきり引っ張られた耳をさすりながら、完了したと報告する。
「ドゥーロだけならいざ知らず、ハヤテまで一緒に寝るとはどういう事?」
ガイアの指すような視線に、ハヤテも力無くうなだれている。
「ドゥーロ、今は時間がないから処分保留にするけど、今回の件は貴方をこちら側に送り込んだ人物に伝わる様にしておくから。」
覚悟しておきなさいね。と言いおえると、咲耶に謝った。
「ごめんなさいね。時間がないというのにこのコンビのお陰で余計に時間をとってしまったわ。」
少し離れた場所にいた咲耶を呼び寄せ、謝罪の言葉をくちにした。
「いいえ。私の事なら大丈夫ですから…」
自分自身を神だと言う人物の機嫌を損ねないように、咲耶は大人しくしていたのだ。
「ドゥーロ、ハヤテ。貴方達にはとっておきの罰を考えないといけないかもね〜。
けど今は、時間が差し迫っているから後で覚えておきなさいねーー」
ガイアは追及の考えを止め、真上に昇った月を見上げる。
「ドゥーロ達を怒っていたら、時空を開ける時間になってしまったじゃないの!」
ガイアは考えを切り替え、咲耶を異世界へ送り出す作業に取り掛かる。
「咲耶、貴方の意思を無視する事になってしまったけど、異世界へ行く心構えはいい?」
ガイアの言葉に、今更ですねーと、思いつつも、これから向かう世界で自分がこれまでした事のない出来事に思いを馳せた。
「ガイア様。こうと決めたら、グジグジ後悔するのは性に合わないんです。なら、新天地で暮らして行くのも一興です。」
過去を切り捨て、まだ見ぬ未来を見据える姿に、ガイアは自分の選択が間違えていないと確信した。




