咲耶とクロガネのお節介
咲耶の執事役のクロガネの朝は、眷属の指示だしから始まる。
「今日の役割分担だが、この街の周辺探索に1部隊、鉱脈探索に1部隊、物資資源探索に1部隊の合計3部隊編成で行なってください。」
クロガネの言葉に、足元の影から同意する鳴き声が聞こえる。
クロガネのいう1部隊とは、リーダー役一羽と監視斥候役二羽、フォロー役の3羽、合計6羽が1チームとなっている。
だが、このクルクリの周辺は自然も少なく、動植物より鉱脈が目立つ地域のようだ。咲耶の力になる様な、宝石やパワーストーンは数が少ない代わりに、ゲームや本に出てくるミスリルや鋼、シルバー等がみつかる。
まあ、烏の習性で光り物をよく見つけては、クロガネに報告してくるので、この周辺が把握出来ているのも事実であった。
「さて、今日はどの様な情報が入ることやら…」
眷属を解き放った後、1人キッチンに佇む。
「今朝の朝食は、私が準備しましょう。咲耶様をもう少し休ませて差し上げたいですから。だが、冷蔵庫の中は少し少なくなっていましたね〜」
さて困った。と思いながらも、表情には出さないクロガネ。それもそのはず、今の咲耶邸には秘密の場所がクルードの手で造られていたのだ。もちろん、家主である咲耶には秘密で。
「さてさて、本日の朝食は何がいいでしょうかね……」
咲耶のように何でも作れるわけではないクロガネ。とりあえず、材料を見て決める事にし、クロガネは咲耶の自宅に新たに作られた、1つの扉に手を掛ける。
そこにあったのは、部屋の中とは思えぬ雄大な牧草であったーー




