咲耶と新たな同伴者
ちょっと更新が遅くなりました。
「ガイア様、先程のお話の中に、土地ごと移動といわれていましたが、これから買い物してきたとしても持ち出しは認められる能力でしょうか?」
「それは大丈夫よ〜。でも、何か欲しい物でもあるのかしら? 言っておくけど、食料や日常生活品は、私が決めた業者を送るから、安心してね!」
咲耶は首を傾げる。業者を送るとはいったいどう言う意味なのだろう?
「送るとはどう言う意味ですか?」
咲耶達の頭の中は疑問符だらけであった。
そんな様子が楽しいのか、実際にみて確かめてごらんというと、指を1つならした。
「お呼びになりましたか、我が主人ガイア様?」
突然何もない場所から姿を現したのは、人とは違った異形の姿の3人である。
1人は、ツンとつりあがった狐眼、頬に少し髭らしきものがあり、背後にはフサフサの尻尾らしきものが見え隠れしている。
2人目は、小柄な身長に立派な顎髭を蓄えたがっしりとした体格の持ち主。背には、大きな木槌を背負っていた。
3人目は、咲耶が公園で話しかけられた時に似た姿の人物。黒い艶のある長い髪が腰まであり、ちょっと見ただけでは性別がわからない。変わった容姿の男性。
「咲耶、ドゥーロ。紹介しておくわねぇ〜。フサフサの尻尾の持ち主は、狐族の者で名をカザミ。小柄な人物は、咲耶が住む場所では見かけない種族、ドワーフのクルード。
最後は、烏属のクロガネ。まあ、容姿が最初に会ったドゥーロに似ているから気がついたかもしれないけど」
新たに登場した人物たちは、ガイアに対し静かに頭を下げる。
「この3人が、咲耶に派遣する者たちよ。私に仕えてくれているから、能力は保証するわねぇ。まあ、性格に難ありかもだけど…」
言葉を濁すのが少し気にはなったが、そこは詮索しない事にした。
「この方たち、ガイア様の眷族ですか?」
これまで黙っていたドゥーロが、ガイアに質問する。
「その通りよ。咲耶のこれからの生活をあらゆる面から支えてくれる者たち。詳しい事は…。今は、秘密にしておきましょうかぁ〜」
その方が、後々楽しいだろうとガイアは言うが、咲耶達はガイアの性格が徐々に掴めてきた。
「貴方達、これから咲耶に同行して2人の手助けをしなさいなぁ〜。いい?」
「「「はい」」」
3人はそう答えると、次の瞬間には姿を消してしまった。
その事にガイアは、各自で準備の為に動いているから、気にしないようにとの事だ。
「物資等は、先程の人にお任せで良いんですか?」
「そうよ〜。咲耶は気にせず別の準備に取り掛かりましょう。」
ニコニコ顔のガイアに、(その笑顔が癖者なんだけどなぁー)
咲耶は不安な気持ちを胸の中に隠すのだった。