閑話 トリフェーンを探索しよう7
花びらが何枚も重なり合い八重山吹のような花がそこにあった。花の中心部には白い球体が1つあり、黄色い花びらを引き立てる。
「聞いたイメージとは少し違うかもしれないけど、こんな感じの花だったかな、カンザール?」
そう問いかけられたカンザールは、自分が知る花よりも、咲耶が創り出した花の方が数倍美しいと思ってしまった。
「いや、私が知る花よりも、この花の方が優しさと可憐さを備えている。それに、白い粒はこちらの方が多少大きく出来上がっております。何も知らない状況でここまでの完成度であれば、何も文句はありますまい。後はー」
そう言葉を切り、花の事を誰よりも知るカーモスの方に視線を向ける。
そのカーモスは、初めて目にした咲耶の力に言葉を失っている。そんなカーモスにどこまで本物に近づけられたのかきがかりなカザミが、再度声を掛けてみた。
「ほらほら、そこで固まっておらんで、守護者はんの感想を聞かせてや? 実の部分は本物にどれだけ近づけとるん?」
「んんっ。そうだったなーー。聖女よ、その実を私に食べさせてくれないか?」
「どうぞ。ご自身の味覚で確認してみてください。」
咲耶に差し出された花を、まずは視覚で確認する。先程は花の美しさに目を奪われたが、嗅いだことない甘い香りに顔を近づける。
咲耶は可愛い仕草の天馬に笑みを溢しつつ、白い実を手に乗せ天馬の口元へ持って行く。
舌の感触に少し驚かされながらも、じっと大人しくしておく。
そっと天馬の様子を伺い見ながら、白い実が自分の思い通りに作れたか緊張する咲耶達。
「これは……、本当に聖女殿が今創り出した物で、間違いないのだな?」
「はい。私が知る花を参考に具現化してみました。それで食べてみた感想は?」
皆の熱い期待がカーモスに集中する。
「本物とは少し違うが、この自然の甘さに美しい花びら。大いに気に入った!」
「本当に?」
「ああっ、私は聖女に嘘はつかないよ。自信
を持つと良い。」
最高の褒め言葉に、満面の笑みをみせる咲耶だった。




