閑話 トリフェーンを探索しよう3
白を基調とした造りの風車小屋が、静かに風景に溶け込んでいる。
「この場所が私のお気に入りの場所です。息詰まりしたり、考えをまとめたい時などに訪れては、草の上に身を投げ出し風車の音を聞いています」
そういうと見本を見せる様に、ゴロンと寝そべる。その姿は、本当に力が抜けてリラックスしているように見えた。
「さて、我々も暫しこの風景を楽しむ事に致しましょう。」
クロガネがその言うと、クルード達が寛ぎ出す。読書を始める者や、小屋の造りを調べる者など、自由時間を満喫している。
咲耶は、皆と同じ様に寝てしまうのがもったいなく感じると、この場所を借りて色々試してみる事にした。
この場所には、街中ではみる事のない花や草木がある。それに、先程チラッとだが畑の跡地の様な場所も見受けられた。
少し躊躇いつつも、気持ち良さげに寝そべるカンザールに声を掛けてみた。
「カンザール……。ちょっと相談したいのですが」
咲耶の遠慮がちな声に、片目だけ目蓋を開くカンザール。
「どうされましたか? 何か不安な事でもありましたか?」
「ううん。気持ち良く休んでる所を邪魔してごめんなさい。ちょっと相談したい事があって……」
そういうと咲耶は、自分の考えを打ち明ける。
「この場所に何本か樹を植えては駄目かな? それと、畑の跡地を使わせて貰えたら嬉しいのだけど?」
「それは構いませんが、畑に何を植えられるのか伺ってもよろしいですかな?」
カンザールの言葉に咲耶はうなずき、食事を用意している時にカザミと交わした会話を話す。
「この街の少し先の未来で、みんなが喜ぶ様な事を今の内から順番したいと思ったの。それで、私が得意なお菓子作りに必須な砂糖を、この世界でも作れないかと、カザミに相談したんだけどーー」
「それは少し無茶やとお話ししたんや。」
咲耶達の会話にカザミが加わる。
「砂糖の原材料は砂糖きびという植物が必須なんや。だが、この街には砂糖きびを植えらる環境ではないんよ。あれは、気候が温かこーないとなぁ〜」
「咲耶様。その砂糖というのはどの様な物ですかな? まずは現物を見せて頂きたいのですが。」
その言葉に、カザミが収納庫より瓶に入った白い粉をカンザールに手渡す。
カンザールは瓶を開け、白い粉を口にいれてみる。
「甘いですな…。これが砂糖?」
だが、この甘さに何処かで味わった事がある様な気がして記憶を掘り起こす。
「そうだ。昔、風の里て見かけた花の実に似ているのだ」
「何やて。その話し詳しく聞かせてぇや?」
凄い剣幕のカザミに、戸惑いつつも話し始めるカンザールだった。




