咲耶と別行動の2人
「そして私を巻き込んだと言う事ですか…」
カザミは今、不機嫌なクロガネと共に竜より教えられた黒曜石の鉱脈に来ていた。
咲耶達が居るクルクリより北に1時間程歩いてきた場所に、その鉱脈はあった。
『その場所はね、まだ誰も見つけてない手付かずの場所だから、量的には問題ない筈だよ。でも気をつけなよ〜、その鉱脈の近くは例の大きな穴が空いている近くだから、敵さんがウヨウヨしてるからね〜』
呑気な助言を貰った時を思い出しながら、隣に居るクロガネに軽い口調で謝罪する。
「そんな怒らんで堪忍してや。そんかわり、上質の黒曜石が取れたら、クルードはんに手伝わせて色々作らせるから、今回は大目にみて〜や?」
ーーズシャーー
機嫌の悪いクロガネに、あれこれと提案してゆく。
「ほら、黒曜石でペーパーナイフを作ってもろても良いし、良質な石が有れば多く採ってクロガネはんの元に置いといても良いやろうし、な? 許して〜なクロガネはん」
「本当にカザミは、人使いが荒いです。別口で私の眷族を使っておきながら、今度は私自身とくるとは……」
ーーズシャードカッーー
「それよりも、何なんですか? 先程から切っても切っても現れるモンスターの数は、ゆうに30は倒していますよ」
「やっぱり原因は、近に例の穴があるからやろうなぁ…。ウチも切り捨てるのが億劫になってきたわ。狐火で焼き払うんで、少し下がっててや?」
「それは助かります。ですが、くれぐれもこっちを巻き込まないでくださいね。」
軽口を交わしながらも、襲いくるモンスターを自慢の武器で切り捨てる2人。
クロガネの武器は、漆黒の刃で作られたレイピアだ。持ち手の所にペリドットの石が埋め込まれており、材質は不明。カザミはというと、普段は腰紐にしかみえない綾帯を解き、紐の先端にある宝石を敵の急所に鋭く打ち込み倒す。中国にある流星錘という武器だ。宝石の部分は、最強の硬度を誇る金剛石、いわゆるダイヤモンドを使った菱形をしている。
舞うように流星錘を敵の眉間や足首に叩き込むカザミに対し、クロガネは素早く突き、斬り伏せる戦闘スタイル。
2人が通り過ぎた跡は、敵の死屍が打ち捨てられて行く。
「それにしても、この敵の多さは異常ではないのですかね……。魔石が貯まる一方です。まあ、収納庫を持っているので苦にはなりませんがね。」
「沢山あれば、後々何かの役に立つんやから残らず貰って行きまひょう。ほな、クロガネはん。下がっておいてや?」
カザミはそう言うと、人差し指を眉間に当て言葉を唱え始める。
<異界の焔よ、ここに集いて舞い踊れ。
ーー妖華爆炎陣ーー >




