3話 罠
ヴァラル王国がミラーナ王国を占領してから1ヶ月が過ぎた。
1ヶ月という期間中は新人兵らは厳しい特訓を受ける日々、少しずつ弓や剣を扱う技術が鍛えられ体力も最初と比べると上達して来ている様子が分かる。
召集がかかり指定された位置へ向かう新人兵。
向かった先にはたくさんの兵士らが整列していた。
「同盟国であるアーラ王国が敵国からの襲撃を受けたとの報告があった。そのため我々ヴァラル軍は直ちにアーラ王国の援軍として向かうようにという指示が出た、今すぐ武器を揃え援軍へ迎え」
そういうと兵士諸君は武器を取り援軍へ向かう支度をした。
襲撃を受けたアーラ王国があるのはヴァラル軍基地から北東へ5キロ程進んだところにある
「酷い」
溢れた一言。兵士らが見た光景は建物全て焼けた後であり住民の遺体が転がっていた。
しばらく街全体を見て回っていたら黒いコートを着た沢山の兵に囲まれていた。
「私はヴァラル軍司令官ジンダイと申す。あなた方は何処のものだ」
国の旗も掲げてなかったので国名を特定することができなかった。
「ここで死ぬ予定の連中に名乗る必要はない」
と言った途端から無数の兵士が武器を取りヴァラル軍に襲いかかる
「撤退だ!体制を取り戻せ」
しかし周りに囲まれていたので逃げ場がない。
「戦うしか方法はないか」
ヴァラル軍の兵士たちも刀を抜き始め敵軍に迎え撃つ。
リクも訓練で教わった通りに刀を振るう。
敵軍の兵を自らの手で刺すことに抵抗はあったが少しでも手加減をしたり刺すことに躊躇っていたら自分が殺されてしまう。そう考えているリクは生き延びるために敵の兵を本気で斬りにかかる。
「ぐわっ」
リクが後ろを振り向いたらハジメが敵兵の手によって斬り殺されている姿を目撃してしまった。
「ハジメー」
リクがハジメの名を叫びハジメの元へ駆けつけたがすでに意識がない。
「そんな」
自然と涙が溢れてくる。現在リクには周りの戦場を見えてなかった。
その隙を突いて敵兵がリクに襲いかかろうとする姿を目撃したエイリックはすぐにリクの元へ駆け寄り庇う
「いてーな」
その声に振り向いたリクはエイリックが刺されて血が出ていたのを目撃した。
「いてーが、あなたの剣は捕まえたぞ。ハジメの仇だ」
血が出ていながらも力を食いしばり敵兵にとどめを刺し、その後エイリックは倒れ込んでしまった。
「おい、しっかりしろエイリック
お前には発明家になるという夢があるんだろう。こんなところで死ぬな」
エイリックは目を開きリクに語る。
「なに……してるここは…まだ戦場だ…よそ見してたら…死んで…しまうぞ」
血をたくさん流し苦しながらも話を告げが時期に息を失った。
ここで立たなければ自分も死ぬ。仲間の死を無駄にさせないためにもリクは涙をふき取り立ち上がる。
そして生きる民にも戦い続けることを決断したのだ。
「よくも親友を殺してくれたな。」
現状、敵兵の数も圧倒的であり今の戦況ではヴァラル軍の不利であり勝ち目などない
「全ヴァラル軍兵士に継ぐ、私に続け」
そこでヴァラル軍がとった行動は第一に逃げ場を作ること。ばらけて敵兵に突入しても敵兵の人数から逃げ場などできるはずもなく死者が多く出るだけだ。ここで見方をなくすのは惜しいところだが少数の死者が出ても仕方がない、逃げ場は一か所あればそれで十分と思いヴァラル軍全兵士はジンダイ司令官に続き一直線に行動を開始。逃げ場を作る箇所を一か所だけに集中し確実に邪魔をする兵を倒し逃げ場を作る作戦だ。
こうして逃げることに成功したが多くの兵を失った。
「はあはあ、敵兵は追ってこないようです」
ヴァラル軍兵士は皆息を切らしていた。
「さっきので何人死んだ」
「知らんが数千ほどは亡くなっただろうね」
「ジンダイ司令官、倒した敵兵の持ち物からおそらく連邦軍だと思います。」
「連邦か、また大きな国が出てきたな。」
連邦は、初めは小さな国であったが一つの国から2つ、3つ、5つと小さな国から大きな国まで同盟を結び大きくなって来た国だ。今では9つの国がともに協力しあい巨大戦力「連邦軍」と名乗り世界中から恐れられている。現状、連邦の目的は外には公開しておらず何を企んでるのか予想もつかない。
「アーラ王国を襲撃したのが連邦であり、またヴァラル軍が来ることを予測し、待ち伏せていたとすると我々は連邦の罠にはまったことになり、ヴァラル王国は連邦に狙われてることになる、もしそうならまずいな連邦との戦争に備えなければならない」
「帰ったら軍人会議を開く、上の奴らを招集しとけ」
「了解です。司令官殿」