汝名を名乗れ
「あなたの名前は?ここの生徒?」私は聞く。
「私の名前は林原くんぷう。薫る風と書いて薫風です」そして一呼吸置き「そうです、ここABC高校の生徒です。二年生をしてます。部活動は帰宅部です」
「林原薫風ね。素敵な名前ね。ところであなた一人で大丈夫なの?私が家の前まで付き合うから帰りましょう」私はそう提案する。
「分かりました」そう言って彼女はくるりと頭の天辺からつま先まで後ろを向き、またくるりとこちらを向く。一回転だ。「でも、何かお腹空きません?」
全くレストランにでも連れて行けと言うのだろうか。
こんな時間に。私は時計を見た。デジタルのディスプレイで午後十時丁度を示していた。
「じゃあ、これから一時間だけよ。レストランに連れて行ってあげる」私はスマートフォンを取り出し、この時間でも営業しているレストランを検索する。
「やったー!」少女はそう言うが私は何も楽しくない。まったくだ。
「それじゃあ◯☓レストランにしましょう」行くわよ。私は歩きだし、林原薫風を通り越す。
後からついてくるのが分かった。
「私あそこのハンバーグ好きなんです。ごはん大盛りにしちゃおうっと」後方からはしゃぐような声でそう彼女は言った。
◯☓レストランに着くと、結構混んでいるようであった。こんな事件が起きてもレストランは営業し、人も来ている。
私は緊張感が残像を残しワープしていくのを感じた。
「いらっしゃいませ、お二人様ですか?」私は頷くと店員は案内を始めた。
幸い順番を待たないで席へ行けるようである。テクテクと私と薫風は歩いて行く。
席に着くと早速、薫風はにこにこしながらメニューを広げた。
「私はあなたと同じものを頼んで」
「わかりましたー」薫風は間延びした声でそう言った。
直ぐに店員を呼ぶスイッチを押す。
十数秒待つと店員が席の前へ来て注文を聞きに来た。
「えっとですねー。ビックリほっこりキッチリ目玉焼きハンバーグとごはん大盛りを二つずつ。後、ドリンクバーを二つで。以上でお願いします」薫風はそう注文するが、私はその量が食べきれるのかどうか不安になった。




