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硝子とルージュ  作者: 藤子LPちゃん
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目的地

 学校へ向かうのは徒歩でだ。夜の気配を身に受け神経を冴え渡す。ひんやりぎこちない夜風がじわじわと焦がれた死の温度のように身を焦がす。

 夜の虫の音がはっきりと聞こえる。

 ポケットからスマートフォンを取り出し目的地である学校への道順を確認する。夜の白色の電灯の下で見るその画面は冷たい氷枕を頭の下に敷いたように私を冷静にする。

 ABC高校。その文字を入力し道順を把握すると私は歩き始めた。

 やけに人通りが少ない、蛍が死に絶えた森で未だ尚光り続ける死霊のように。

 町あかりは大鐘の残響のように鈍い。

 私はスタスタと早歩きでそれら街灯を抜いていく。

 ふと見上げれば街灯に羽虫が数匹集まってるのが見えた。私は夜の踊りを連想する。決して楽しいものでは無いけれど。

 学校へ近づけば近づくほど濃い緑の歪なグロテスクさは増していくように私は感じた。それらが人気のない公園の足元にある雑草のように素肌と接触していくようであった。

 湿り気を帯び、歩くほど匂いが濃くなっていく。

 やがて大きな高校に辿り着いた。高校の入り口はやはり白色の電灯が付いており金属の若干錆びが浮き出た門を照らしていた。

 私はそこに入る。

 門に手をつき身を乗り上げる、両足がストンと校内の地面に接触した。体中が暗闇で満たされた気がした。私は心のなかでランタンを点火する。

 歩きながら犯行現場である体育館はどこかと確認する。やがてそれは右手奥のぼんやりとした明かりに照らされ黄色の封鎖テープが貼られたその場所が見つかる。

 私はそそくさと歩いて行く。目的地に着いた。

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