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硝子とルージュ  作者: 藤子LPちゃん
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女子生徒

 バスに乗りゴトゴトと揺られている。席の直ぐ右側にある窓から外の街灯が付いてるのが分かる。バスはどんどん進んで行き、それらを通り過ぎていく。

 もう外は草木が微睡みを帯びる暗闇時になっていた。

 やがてバスは私の家の停留所に着いた。私は席から立ち上がり、そそくさとバスから降りる。傘をパッと開き家へと歩いていった。

 家に辿り着くと私は少し濡れた体をいたわり、シャワーを浴びることにした。未だ暖かい季節なのでシャワーだけで良いだろう。そんな高をくくりながら。

 私は浴室に入りシャワーの蛇口をひねる。冷たい水が始め出てきて、やがて暖かいお湯に変わると体に浴びる。



 私はシャワーを浴び終えるとドライヤーを持ってテレビの置いてある居間に向かった。

 そこでテレビを付けドライヤーで髪を乾かしながらニュースを眺める。初めはよく私には分からない政治の話であったが、やがて今日起きた事件のことをニュースキャスターは話始めた。

「速報です」テレビの画面がニュース番組の室内から事件の現場へと変わる。画面は呆然と立ち尽くし瞬きを続けている女性の報道人へと変わった。数秒時間が経ち話し始める。

「こちらのABC高校で女子生徒が首なし死体で発見されました」テレビの時計を確認すると六時五十六分であった。

 その高校は私の町の高校であった。私は全身が冷たい氷のように固くなった。急に外の暗闇が怖くなる。私は耳でニュースの続きを聞きながら窓のカーテンを閉じに行った。

「女子生徒は体育館で発見され、部活動などは今日は休みの為やっていなかったようです。しかし見回りの教師に発見されました。直ぐに警察に通報され」

 私はくらくらとのろい目眩のようなもに襲われ、急激に睡魔のような電流のフラッシュバックが起こった。頭がバチバチとスパークし途切れ途切れに映像が流れる。

 私は女子生徒で体育館へと逃げ込んでいく。何か得体の知れないものに追われている恐怖感が目前に餌のようにぶら下がっている。

 息が上がっている。ぜーぜーと息を吐きながら体育館へと着くと物陰に隠れようと思い、体育館の奥にある舞台幕のカーテンに身を隠した。

 静かに息を殺し息を整えていると、恐怖感は緊張感へと変わった。糸が過度な重圧にかかった操り人形のように。

 場は静寂感で満ちていた。ただ、おかしなことに何かの気配がした。私は死ぬのだと朧気に五感で感じると、目から水が流れてきた。それが涙だと気づく前に私は後ろから首を絞められた。

 首に強い握力を感じ、自分の手を動かし首にまとわりついている手を離そうとする。しかしそれは突然無理矢理嵌った誤ったパズルのピースのようにとれなかった。私は暗闇へと落ちていく。体育館が薄暗いことに初めて気づいた。その中に溶け込んでいかず密閉された違和感と共に置き去りにされる感覚があった。私はそれが無性に寂しかった。


 私は目を開けるとテレビはニュースの続きをやっていた。今のは死んだ少女の最後の記憶であろう。翌朝には机に花が生けられてある花瓶が置かれている少女の。

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