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硝子とルージュ  作者: 藤子LPちゃん
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水底に沈んだ人形

 その瞳を見つめていると自分が生きているのか死んでいるのか分からなくなった。その感触がとても美しく、黄昏時に紅く染まった雲をぐちゃぐちゃになるまで抱きしめるように、心の底から崩壊していくようであった。

 神崎稔はその人形の瞳をずっと見ていた。

 いつしか人形を水槽の中に入れて眺めたいと思い、今では大きな水槽に変わっていたものに入れてみた。

 水槽に人形を入れるとゆっくりと落ちていき、中にあらかじめ入っていた魚たちは我関せずの素振りでひらひら動き、人形は水槽の水底へと沈むんだ。

 その時、人形の閉じていた瞳がゆっくりと開いた。

 それからというもの、神崎稔は水槽の底に人形を入れて鑑賞するのが楽しみになっていた。

 そしていつの間にか、それは人形から死んでいる少女になっていた。

 自分で少女を作るのではなく、生きている少女を壊し殺してから眺める。そんな異常者へと変貌したのである。

 今では二つの瓶と二つの頭部があった。



「順子さんご飯出来てるみたいです。一階に下りて食べましょう」と薫風は部屋に戻るなり言った。

「それじゃあ、ご馳走になるわ」

「それと、学校は明日から夏休みなるようです。事件のせいで夏休みが早くから始まるようです。私、夏休みの間、暇です」

「自分で何か趣味を延々とやるのはどう?私は小説を書くのが趣味なのだけど」

「順子さん小説を書くのですか?今度、私にも見せて下さい」

「出来上がったらね」さて私の小説は出来上がるのだろうか。

「明日、私と遊びに行きませんか?」薫風がその天使の羽のような眉に少し開いた不安げな目がくりんとして、質問する。「明日の朝から」そう付け加える。

 私は嘆息し「分かったわどこか遊びに行きましょう」

 薫風はそれに中心を藍色に周囲をオレンジにした微笑みで応じた。

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