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硝子とルージュ  作者: 藤子LPちゃん
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針金

 薫風の家を出ると私の家から出る瞬間とまた違った感触が私の頬に現れた。太陽の日差しが私の片頬に軽くキスするようにオレンジ色に滲むと私はその眩しさに目を細めた。

 それはいたって普通の朝だった。輝くような偽りの高校生の私はそれを胸の内を開かせ享受する。そういったことはもう終わってからでないと出来ないのだなと私は感じた。

 横にいる薫風は難しい顔をして制服にカバンを片手につる下げて立っていた。

「あなた、一人で大丈夫?学校の前まで一緒に行こうか?」私はそう言った。

「大丈夫です。きっと」彼女は決然とした顔でハッキリとそう言った。小鳥がチュンチュンと鳴いていた。

 途中まで薫風と歩き私の家の方向と学校の方向へと別れる場所に行くと私たちは別れ、それぞれ歩き出した。


 私の家に辿り着き、玄関のドアを開ける瞬間、スマートフォンが着信音を鳴らし始めた。私はそれに出た。

「順子さん、大変なんです。今直ぐ学校に来て下さい」電話に出ると薫風がそう言う。

「どうしたの?何が大変なの?」

「とにかく来て下さい!大変なんです!」私は小走りで来た道を戻ると学校へ向かって進んで行った。

 学校の前に到着すると嗚咽を漏らす生徒が数人門の前に固まっている。

 私は何があったのかと不安になり門の中に入った。

 そのまま歩を進め学校の室内への入り口を見た。

 そこにはびしょびしょに濡れた首無死体が残った首を針金で縫合され首吊り死体のようにニメートル程上空に揺られていた。大きな釘が壁に打ち込んでありそこに針金の先が繋がっていた。水滴が死体からポツリと落ち、地面に沁みを残していた。赤いものはそこには混じっていなかった。

 辺りには生徒が嘔吐した跡などがあり、死体の下に教師たちが集まって怒声を上げている。

「順子さん!」薫風が私を見つけ近寄ってきた。

「あなた大丈夫?今日はもう一緒に帰りましょう」

「はい」薫風は私が来たことにホッとしたのか涙を流した。

 私は薫風の肩に手をやり身を寄せながらその場を後にした。

 パトカーの音が前方から聞こえた。漸く到着したのだろう。

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