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硝子とルージュ  作者: 藤子LPちゃん
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プール

 スマートフォンをポケットにしまうとひたひたと素肌の背筋を誰かの手のひらでノックされるような湿り気を帯びた感触と音が聞こえた。

 例の予感であった。

 私はABC高校に張り込み犯人を待ち受けようか考えた。次の標的がまたABCの生徒であるかもしれない。

 私はぶるぶると震えた。寒気がする。非道い悪寒がおでこと脇の下からする。気持ち良さを感じるほどの悪寒であった。

 ゼーハーと息を吐くとそれは熱気を伴い小雨の降る外気の濡れた透明な素肌と重なり合う。

 胸に手をやり気を落ち着ける。体に注射針で空気を注入されたように気分がふわふわと浮いていた。私は天使になった気分になった。

 そこで私は目眩を起こすと倒れた。

 地面に触れた自分の体が濡れた地面と触れ合い、冷たく感じたのを覚えている。そこで意識を失った。


 夢の中で私は白い電灯が照らす屋外プールに逃げ込んでいた。どうやら高校のプールのようで人は私以外だれもいなかった。空を見上げると猛スピードで投げられた野球のボールのように満月が浮かんでいた。

 私は漠然とあの後晴れたのだなと思った。

 息を切らしながら逃げ込んでいくと足を滑らせて転ぶ。白色の上履きで底面が緑色になっている。濃いグリーンだ。

 立ち上がろうとすると横腹を何者かに押されてプールの水中へと投げ込まれた。全身が水に包まれ上がっていた息が酸素を求めて口を開くが入ってくるのはプールの水だけであった。ゴプリと音がする。胸が急に入ってきた水の居心地の悪さでバクバクと鳴る。

 

 私はゼーハーと息をして夢から目を覚まし起き上がった。見上げると白色の天井があった。ここは何処だろうか?私はベッドに寝ていた。

 私は倒れたあとここに運ばれたのだろうが、ここは病院ではなかった。床を見ると毛布をかぶり薫風が寝ていた。

 ベッドから下りて窓辺に近づく。暗闇に包まれた室内に三日月模様が付いたカーテンが閉じられてあった。カーテンを開くと空は晴れており月が見えていた。満月であった。それは狼男が遠吠えをあげるような対象としてそこにあった。

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