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硝子とルージュ  作者: 藤子LPちゃん
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クラス巡り

 私は上履きを持ってくるのを忘れていた。仕方がないので靴を脱ぎ、靴下を履いた足のまま上がる。

 学校に入るとエアコンは利いていないようであるがやや涼しかった。

 これは屋内に入り陽射しが遮られたからであろう。窓は所々開かれてあり、豊かな風が入る。

 天を仰ぐとお昼の陽と室内の薄暗さが混じり合った明かりの中、私の髪がさらさらとその風に煽られ動く。一本一本シャープに見える髪の毛は触ると、思いの外つるつるとした手触りだった。それはトリートメントをしたての髪の毛のようであった。

 私は殺された生徒のいるクラスを探すことにした。

 しかし殺された生徒のクラスを私は知らなかった為、一つずつ教室を確認していくことにした。

 まさかいきなり見知らぬ生徒に昨日殺された生徒の教室はどこですか?なんて聞けるはずはないのだから。

 一階は一年生のクラスであった。一つずつ巡っていくとやがて昼休みのチャイムがなって生徒たちが教室から出てきた。それらを全て周る。

 階段を上がると二階は二年生のクラスである。一つずつ教室を確認していく階段の近くは一組がありそこから順番に見ていく。

 段々と空気が淀んでいくのが分かる。

 教室から出ていく賑やかさと教室に立ち込める淀んだ空気。そこはまるで息の出来ない海中であった。

 二組、三組、のクラスを見て回った。しかしそこには何の変哲もない。

 四組のクラスに通ると窓辺の後ろから二番目の席に花瓶に生けられた黄色い花があるのが見えた。

 ここのクラスだ。私は確信した。

 教室のドアがガラガラと開ける。教室の生徒の数人が入り口の私へと視線が向かった。

「あ!順子さーん!」その声がする方を見るとそこには薫風がいて、ニコリと微笑んでいた。

「あら、あなたも四組だったの?」私はそう言った。


 気が付けば私は薫風と彼女の友達に囲まれていた。私は三年生であり彼女の先輩だと紹介される。

「へぇ、薫風にも三年生の知り合いがいたんだ。薫風って帰宅部でしょ、ちょっと意外かもしれない」ヘアスタイルがおかっぱの女の子がそう言う。唇がプリッとしていて色気があった。

「目が大きくて知的なピューマみたいです。美人ですね。私とも知り合いになってくださいな」灰色がかったレンズのメガネをかけた女の子ががそう言う。こちらはストレートな髪質でロングヘアであり、腰元まで髪が伸びている。大人びていた。

「薫風、この人のこと好きなの?何となく私、分かる気がする」目がくりっとしてどんぐりを頬張った栗鼠のような女の子がそう言う。

「もー、待ってよ~。順子さんは笹子のことを聞きにきたのよ」と始めは大きな声であったが段々と小声で薫風が言った。

 途端に場が暗くなる。

「えっとね、どんな子だったか知りたいのよ」私は順に薫風とその三人の友達を見回しながらそう言う。「笹子さんが昨日亡くなった生徒の名前なのね?」

「そうです。分かりました。分かる範囲であれば答えます」おかっぱの子がそう言った。

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