第七話
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「お母さーん、私のアルバムってどこにある?」
「ん?その棚の一番上にない?ていうかどうしたのよ急に。」
「ん?ちょっとね。」
背伸びしてギリギリ取ることのできたアルバムを持って二階の自分の部屋へと戻った。ベットに寝そべりアルバムを開くとなんの気なくそれを眺めた。一ページずつゆっくりとめくっていくとあるページで私の手が止まった。それは女の子と男の子が二人でピースをしている写真。女の子は勿論私。そしてもう一人は…あの男の子だった。…あの子はやっぱり私の知り合いだったのだ。でもなんでだろうか。写真を見ているとすごくモヤモヤするのは。私はベットから飛び起きると急いで一階に降りた。そこにはお父さんが新聞を開いていた。
「お父さん。ちょっと聞いていい?」
「おぉ、我が娘よ。どうしたんだい?」
相変わらずこのノリ苦手だなー。最近仕事が落ち着いたからなのかペコペコしなくなったと思ったらこれだよ。お調子な性格と弱気な性格がお父さんの素なのかな。まぁいいけど。
「うん…この子のこと知ってる?」
「おぉタケシくんじゃないか!」
「タケシ?」
「いやマコト?それともヨシオだったかな?」
「あぁ…はいはいもういいよ…」
やっぱり適当か。いつも通りといえばいつも通りだけど。私はそうそうにお父さんに見切りをつけるとキッチンにいるお母さんの方に向き直った。
「あぁ待って待って。確かに名前忘れちゃったけど一度家に来たよ、彼。ていうか一度しか来てないと思う。写真もその時撮ったやつじゃないかな。」
「ふーん…そっか。」
その後お母さんにも聞いてみたが、この時はどうも家にはいなかったらしく全く見覚えがないみたいだ。一度だけ家に呼んだ友達。情報が少なすぎる…
もしかしたら直接行ってみればわかるのだろうか…この子の正体も。この胸のモヤモヤも。私は自然とポケットにしまったままだった「なんでも屋」のチラシを取り出していた。




