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あの日君が見せたかった景色は  作者: 雨音
第一章 忘れた記憶
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第三話 

 実は私には「ある数ヶ月間」の記憶が無い。もう私が小学二年生の頃だから七年前になるのかな。まぁ私も覚えてはいないんだけど後からお母さんに聞いた話では交通事故で頭を打ったのが原因だということらしい。聞くところによると事故直前の記憶がなくなるなんてことはよくあるみたい。一種の自己防衛として事故の衝撃を抑制するためだとかなんだとか。でも私の場合、事故前後『数ヶ月』の記憶だけが無くなっているらしくかなり特殊なことのようだ。当時のお医者さんもお手上げだったみたい。なんか申し訳ないな…そしてそのすぐ後私はお父さんの仕事の都合で引っ越すことになったんだ。

 

 


 あの夢を見てから約二年が過ぎて私も十六になった。私はあれからずっとあの夢を見続けていた。そしてその度に手をのばして泣いているんだ。正直なところ、今まで私はなくした記憶について深く考えたことはない。どうせ数ヶ月の出来事だし大して大事に思わなかったし特に気にしてはいなかったんだ。でもその「毎夜同じ夢を見る」という特殊な自分の状況と「一部の記憶がない」という過去の繋がりを二年かかってようやく感じ始めていたんだ。

 

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