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短編小説「余命」  作者: 高山 和義
第1章 終わりへ向かう、すべての始まり。
5/12

その4

そんなある日、院内をうろついていた時に見つけたものがあった。

(おとなしく病室で寝ていろ、と思うだろうが、実際体は健康ではないものの気力はあるので、その辺をほっつき歩くことくらいはできるのだ)

それはコイン式のインターネット端末だった。

端末といっても、どこからどう見てもただのデスクトップパソコンなわけであるが、画面の横にはコインを投入する箱がある。

百円で十分、これを使わない手はないとすぐに病室に財布を取りに戻る。バイトをしていないので大した金額は入っていないが、それでも千円くらいなら入っているはずだ。

中身を確認すると百円玉が五枚と五百円玉が一枚、ちょうどよかった。

手始めに二枚ほど投入すると、すぐに画面がブラウザーへと切り替わる。普段使っていたブラウザーではなかったが、操作に手惑うことはなかった。

とりあえず、下灘駅の位置について調べる。

「下灘駅」と入力するだけで、かなりの数の画像とページが検索結果ページに並んだところを見ると、どうやらかなり有名な場所のようだ。

場所は愛媛県伊予市、愛媛県の中心地である松山からJRの列車で一時間ほどのところのようだ。

青春18きっぷのポスターの背景になっていたり、アニメの舞台として登場することもあるらしい。

秋には駅でコンサートなども行われているようで、ウィキには確か無人駅と書いてあったはずだが、とても盛んなところのようだった。

さて、最後に調べるのは現地までの交通手段である。

とはいえ、どんなルートがあるかは知ってるわけもなく、適当に探した乗り換え案内のサイトに「千葉~松山」と打ち込んで検索をかける。

検索結果を眺めていくと、「○○ライナー松山」や、「○○エクスプレス愛媛」などの高速バスがずらりと、バスは勘弁、とスクロールを早める。

次は新幹線だった。のぞみ号で岡山まで、そこからは特急しおかぜで二時間半というルートだった。これなら行ける、と運賃を見てみるとなんと二万五千円。流石にそこまでは出せない、とさらにたどっていくとある列車を見つけた。

「サンライズ出雲・瀬戸」だった。

運賃はざっと二万円、新幹線と比べて格段に安いわけではないが、これくらいならギリギリ出せるかもしれない。

サンライズについて、もう少し詳しく調べてみることにした。

サンライズ出雲・瀬戸は、東京から出雲市・高松を結ぶ寝台特急で、昔の所謂ブルトレではなくて、外見はオール二階建ての電車そのもの。

部屋の種類は何種類かあり、ゴロントシートといった仕切りだけの半分雑魚寝のようなものもあった。

松山に行く場合、サンライズ瀬戸に乗って、坂出という駅で特急いしづちに乗り換えるそうだ。

移動時間は約半日、とても長いが、なかなか面白そうなルートではないか。


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