実験開始4
「では、ゲームを始めよう」 私は3本の割り箸の下の先端部分を片手に持ちながら被験者達に言った。 「ゲームだとっ?」 【被験者002号】が叫んだ。 「そうだ」と言うと、下の先端部分を持った3本の割り箸を被験者達に見せた。「今から、1人1本ずつ、割り箸を引いてもらう。今、私が手で隠している割り箸の下の先端部分には○(まる)が記されている。その○が赤く塗り潰されていたら【3生命体同体人間試作品002号】の両肩のどちらかに首根から上を付けられる役目を果たしてもらう。もし、○が塗り潰されていなかったら【3生命体同体人間試作品002号】の中心の役目を果たしてもらう。勿論、赤く塗り潰された○は2つある。では、引け」私は微笑んだ。「まずは、【被験者001号】からだ」 私は【被験者001号】のいるベッドの左横まで行くと、3本の割り箸を差し出した。「1本引け」【被験者001号】は「嫌だ。嫌だ」と拒んだので私の着ている白衣のポケットから自動小銃を1丁取り出した。そして、安全ベルトを外すと、引き金に手を掛け、銃口を【被験者001号】の額に向けた。「貴様には拒む権利は無いはずだっ」私は【被験者001号】に向かって怒鳴った。 「ひぃぃぃっ」【被験者001号】は叫ぶと、「ごめんなさいっ」と言いながら、左にある割り箸を引いた。「嫌ぁぁああぁああぁっ」 【被験者001号】は泣きじゃくった。割り箸の先端部分の○は赤く塗り潰されていた。つまり、最も屈辱的な首根から上だけの役目。 私は泣きじゃくる【被験者001号】をほっとき、自動小銃を白衣のポケットにしまいながら、次に【被験者002号】のベッドの左横まで来た。残りの2本の割り箸を差し出した。【被験者002号】は先程の自動小銃に怖じ気付いたのか、素直に右の割り箸を引いた。○は塗り潰されていなかった。つまり、中心の役目。最も、重要だが、1番気分的に楽な役目。案の定、【被験者002号】が安堵の息を吐いていた。 「くそぉぉぉぉぉぉぉっ」 それと同時に、自分の運命を知った【被験者003号】は【被験者002号】に向かって怒鳴った。「貴様の所為で、俺は首根から上だけになっちまうだろぉがぁっ」そして、暴れまくった。「うがががぁぁぁああぁぁあぁあぁああぁっ。くそがっ。くぅそぉぉぉおぉおおぉおぉぉぉおおぉおおおっ」【被験者003号】の手首と足首を巻いている鎖がジャラジャラと音を立てた。 【被験者003号】にも割り箸を引かせた。勿論、割り箸の下の先端部分の○は赤く塗り潰されていた。私が、結果が分かり切った事を【被験者003号】にやらせたのは、ゲームは平等でないといけない為。ちと、私はこういう娯楽には五月蝿いのでね。 では、ゲームが終わったところだし、そろそろ、実験を開始するとしますか。