実験開始2
私は歩くと、彼らつまり、3人被験者のいる部屋に足を運んだ。 そして、部屋のドアを開いた。 其処は、畳6畳程の横に広い部屋で、その部屋に横にベッドが3つ並んでいた。そのベッドの上に1人1つずつが寝ていた。左から順に成人程の女性、通称【被験者001号】、軍人らしき男性、通称【被験者002号】、整った顔立ちをした成人程の男性、通称【被験者003号】だ。彼らはこれから私の実験の材料になる。しかし、彼らはこの実験の事を知らない。知る余地も無い。だって、彼らは私がランダムに選び、捕まえたのだから。 「……ん?」【被験者003号】が目を覚ますと、上体を起き上がらせようとした。すると、「一体、何なんだっ?」と叫んだ。勿論、上体を起き上がらせられていない。 当たり前だ。私は彼らの手首と足首を鎖でベッドに繋がせている。つまり、起き上がる事が出来ない状態。まぁ、実験をする為だ。しょうがない。我慢してもらおう。 【被験者003号】は私の事を見ると怒鳴った。「おい貴様、ボッーと見てねぇで、さっさと、この鎖を外せよっ」と言うと手首と足首を動かし、ジャラジャラと鎖を鳴らした。 「それは無理だ」 私は冷たく言い放った。 「何故だっ」 「実験をする為だ」 「実験?」 「そうだ」 「理解不能だ」 「1人1人に一々話すのは面倒臭い。2人を起こせ」 「貴様が起こせ」 「私に口答えするのか? 今、立場は私の方が上だが?」 「畜生っ。おい、お前ら起きろっ」 その声に【被験者001号】と【被験者002号】が目を覚ました。 最悪の人体実験が始まるとは知らずに。