結合開始
【私の名前は、蟻川一二三。 博士だ。 先ずは、この日記を読んでいる誰かに伝えなければならない事がある。 猿の『結合』に成功した。 この『結合』には1匹の猿と2匹の猿の首根から上を使用した。 『結合』された猿、通称【3生命体猿試作品001号】の容姿を簡潔に説明すると、1匹の猿の両肩に1つずつ、猿の首根から上がくっ付いているという状態である。此処まで文章を読んだ誰かはきっと、両肩に付いている猿の首から上は、只の飾りであり、一切動じる事は無いのではないか? という事を考えるかもしれない。そういう誰かには此処でその誤解を解こうと思う。【3生命体同体猿試作品001号】は、3つの感情を持っている。つまり、『結合』した3匹の猿は死なずに『結合』してからも尚、生命活動を続けているという事である。結論、3匹とも動いている。この【3生命体同体猿試作品001号】は、それぞれの感情は違えど、痛みや空腹等といった身体的な事は全て共有している。なので餌を与える時は、3匹の猿のどの口に入れても3匹とも満腹感を共有出来るという事だ。次に、身体を自由自在に動かす事が出来る猿は、『結合』する前のその身体の所有者であり、両肩の猿は首から下を自由自在に動かせない。それが【3生命体同体猿試作品001号】である。 この、3匹の猿を結合するという、実験を見事成功させた私は新しい実験を開始しようとしている。それは、3人の人間を使用し、【3生命体同体人間試作品002号】を製作させる事だ。使用する3人の人間はもう用意してある。今日からこの3人の人間の実験被験者を使用し、今日から実験を開始しようと思う】 私は鉛筆を止め、分厚い日記帳を閉じた。 これから、忙しくなりそうだ。 私は不気味に微笑んだ。