なつのゆめ
小説のような続き物ではなく、エッセイっぽい短文です。
仕事に行こうと思って、電車に乗りました
どうせ終点までの長い道のりなので、眠っても大丈夫です
窓の外はどんどん牧歌的な風景になっていきます
夏らしい青空で。緑の畑やら田んぼやら草原やら
ぼうっとしながら
着いたようです
あれ?
降りると何故か一面緑の草原で
あれ?と振り向いてみると改札は無く、同じような緑が広がるのみ
何故かぼーっと歩いて、さくさく草を踏む音。日本の夏らしい蒸し暑さはなく、さらっとした風と草いきれ
とおーくに小さな屋根みたいのが見えて、何故かあれが会社なのかと思って進んでいきました
あれ?
家じゃん
自分が住んでた家です。子供の頃住んでた、ボロ平屋建て
何故かそこに入りまして、ああ、玄関の靴箱の上の変な刺繍の怪しい絵もそのままで
バリバリ毛羽立った玄関マットもそのままで
短い廊下を進んで居間に入ったら、正面のソファの上、サーモンベージュのクッションの上に
あの猫がいました
「ただいまー」
何故かそう言って、いつものように頭にそっと手を置いて、ごはんの用意をしました
なぜでしょうか、居間とつながってる台所はとても高くて、手を少し伸ばして水道の蛇口をひねって
猫の器をゆすいで、猫缶を開けて、そこに入れて
あー肩が痛いです。高いから。
お歳暮で頂いた朱色の缶から出したかつおぶしパックを振りかけて
さあ、どうぞ
クッションから音も無く降りてきて、本当に軽く、トン、とも聞こえないほど身軽な女
ととと、と寄ってきて、はぐはぐはぐ
小さな額、少し髭?長い毛が揺れてて、おいしそうに食べてるのを見るのが大好きでした
うれしくて、またそっとそーっと触れて。ピクン、と見上げる仕草、でもごはんが先なので
仕草だけではぐはぐはぐを再開。
ごはんが終わったらお水。ぴちゃぴちゃぴちゃ。静かですよ。上品な女でしたので。
ちっともこぼさないで。
ふう、みたいなかわいいためいき。またクッションに戻っていく
何も無かったようにぽす、と座って。でも目は閉じないでこっちを見てます
うれしくて
静かです。
こっち見てます
「また、お世話させてくれるんですか?」
何故かそんなことをつぶやきました
はやくもどれ
そんなかんじで。
もどりたくないんです。ここにいたいです。だめですか
だめ
そんな瞳でした
トイレ、外に干してたから入れないと
それはいいから。もうそれはいらないからと言われて
おまえはもどれと。もどれ
ここにいるから、と
39度の熱に浮かされて見た、へんな夢でした
かなりうそくさいですが、見ました
あれは楽園かな?平井堅さんの歌みたいな
夢なので、所々おかしいです。不条理というかご都合で
というか、夢って一秒ごとに忘れていきませんか
なんで、この二日アクエリアスと酒とおかゆでぐったりしてしまっているので
忘れないうちに、メガネかけると頭痛が酷いので使い捨てコンタクトを入れて何故かPC立ち上げて書いてます。バカか。思い込みとうさんくささとぼうっとした変な感じで。左目はもともとスポーツ上の事故で視力が出ないので、コンタクトも微妙ですが、右目だけで打ち込んでます。だからバカか。
へんな夢ですが、非常に幸せな夢でした
あそこにいけば、あの女がいるのでしょうか
ってかあそこどこだよ
何行きの電車に乗れば行けるんだよ
教えて
もういくからって
どこにいくんだよ
置いていくなよ
連れてけよ
お世話させろよ
頼むから
一緒にいてくれ
お前だけなんだよ私には
尊いものはみんな貴女の中にある。私のためのものはすべて
すべてに失敗した(後悔は全くしていませんが今は)私にとって
どんなに想ってもすりきれません
どうか
つれていってほしいんです
なんどくりかえしても、このおもいはぜったいにきえません
だから
どうか
このてをとってほしいんです
どうか
せめてひとめ
どうか
(BZ「RING」)
読んで下さってありがとうございました。
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