第4話 破滅ポイントと、悪魔の生活事情
家で、唐揚げを食べていた。
「で、セラさん。」
「これからどうするんだ?」
「破滅の何かをしたこともわかったし。」
「あの謎の天使がいるのもわかった。」
「天使がいると、結構面倒くさいんじゃないか?」
セラは即答する。
「面倒くさいに決まってるでしょう。」
「阻止してくるのよ。」
「天使がついているってことは……。」
「そんなに悪いやつじゃないのか?」
セラは少しだけ眉をひそめる。
「性格の悪い天使だから、よくわからないわ。」
「ただ――」
「私は、破滅ポイントが必要なのよ。」
「破滅ポイントがないと、困るの。」
「なんでだ?」
セラは少しだけ視線を逸らした。
「できないと、ペナルティになるし……。」
少しだけ間を置いて、小さく続ける。
「とにかく、困るのよ。」
「困るなら、ヤバくないか?」
「うん。」
「何で困るのかはわからないけど。」
「セラさんが、何か困るんだろう?」
セラは少しだけ視線を落とした。
「人を破滅させるのも、どうかと思うが……。」
青斗の言葉に、セラは小さく息をつく。
「まあ、気持ちのいいものではないわ。」
ほんの少しだけ間を置いて。
「私だって、良心があるのよ。」
「私は、完璧な悪魔でもないから……。」
「ちょっと複雑な存在なのよ。」
少しだけ間を置いて、肩をすくめる。
「まあ、悪魔だけどね。」
「だから、使えるグッズも少ないし。」
「破滅ポイントを、稼がないといけないの。」
「清純派だから、少し浮いてるし。」
「何故か悪魔って、妖艶系が人気なのよね。」
「あの性格の悪い天使みたいなのが、人気なのよ。」
セラは少しだけ眉をひそめる。
「見てるだけで、腹が立つ。」
「でも、ラエルさんは結果出してたと思うけど。」
セラは即座に返す。
「うるさいわね。」
少しだけ顔をしかめて続ける。
「そこが腹が立つのよ。」
そして、唐揚げを一つ口に入れる。
「……でも、この唐揚げおいしいわね。」
少しだけ満足そうに。
「気に入ったわ。」
「お前、呆れた悪魔だな。」
青斗はビールを飲んだ。
「っていうか、あなた……彼女いないの?」
「うるさいな。」
少しだけ肩をすくめる。
「見たらわかるだろう。」
「モテそうなのに。」
「いや、モテない。」
少しだけ間を置いて。
「それと、別れたばかりだ。」
ビールを一口飲んで、続ける。
「まあ、浮気されただけ。」
少しだけ笑って。
「俺が悪いらしいけどな。」
「浮気は、するほうが悪いと思うけど。」
「さすがに意味がわからない。」
セラは真顔で言った。
「青斗は悪くない。」
少しだけ間を置いて。
「そういうやつは……破滅よ。」
青斗は苦笑した。
「物騒だな。」
セラは少しだけ視線を落とす。
「浮気する人間、嫌いなの。」
「まあ、俺も嫌いだ。」
少しだけ間を置いて、続ける。
「そういうやつは、俺も願い下げだ。」
「よく考えたら、赤石紅希も浮気してるよな……。」
曜日別彼女だけど。
……あれは、浮気なのか?
少しだけ考える。
「……。」
「俺は清純派ではないが、意味がわからない。」
「浮気よ。」
「でも、そんなに浮気が嫌ってことは。」
「浮気でもされたことあるのか?」
「ないわ。」
セラは、なぜか誇らしげだった。
「だって私、清純派だから。」
「付き合ったことないもの。」
さらに、誇らしげだった。
「……モテないってことか。」
「妖艶派がモテるのよ。」
青斗は少しだけ呆れた顔をする。
「いや、セラさんが面倒くさそうだからじゃないか?」
「失礼ね。」
「私は、面倒くさくないわ。」
少しだけ胸を張って言う。
「素直なだけよ。」
「うん、まあ素直ではあるな。」
少しだけ考えて、続ける。
「それより……赤石紅希に近づかないと、無理じゃないか?」
「接触できれば、早いのかもしれないけど。」
「でも、そのために近づくっていうのも、何か嫌だしな。」
少しだけ視線を逸らす。
「偶然だったら、いいけどさ。」
「破滅ポイントって、他ので稼げたりしないのか?」
「打開策とか。」
少し考えて、付け足す。
「ゴミ箱破壊したら、破滅ポイントゲット……みたいなやつ。」
「そんな安いポイントじゃないのよ。」
「そんなので稼げても、〇・一ポイントもいかないわね。」
少しだけ間を置いて、続ける。
「お菓子一つも買えないの。」
「生活がかかってるの。」
少しだけ真面目な顔で言う。
「真剣なのよ。」
「とりあえず……生活は、ここにいれば俺が何とかできるけど。」
少しだけ考えて、続ける。
「破滅ポイントは難しいな……。」
「ゴミ箱のごみを破壊するとか、そこから始めるか?」
「だから、そんなに安くないって言ってるでしょう。」
セラは少しだけため息をつく。
「それに、担当が赤石紅希なんだから、仕方ないのよ。」
少しだけ間を置いて、続ける。
「ペナルティで、借金もできないし。」
「とにかく、近づくわ。」
セラは小さく言った。
「きっと、見えないわよ。」
「私のこと。」
「俺も行く。」
少しだけ間を置いて、続ける。
「とりあえず、土日で。」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は少しゆったりめの回でしたが、セラの事情や「破滅ポイント」という仕組みが見えてきました。
軽いノリで話しているようで、実は結構シビアな状況だったりします。
そして青斗も、だんだん本格的に巻き込まれてきました。
優しいけど、ちょっとズレてる彼がどう動いていくのかも見どころです。
次回はいよいよ、赤石紅希への接触に入ります。
セラとラエル、そして紅希と青斗。
この四人が揃ったとき、どう動くのか。
引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。




