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破滅悪魔セラさん、なぜか俺に懐いてます。  作者: 桐原悠真
第1章 破滅と対価

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第2話 悪魔が家に住みつきました

「同居は仕方がないとしましょう。」


「ルールを決めましょう。」


「ルール?」


「はい。」


青斗は指を折りながら言った。


「家に他人を連れ込まない。」


「連れ込むときは、お互いの許可を得ること。」


「なるほどね。」


「それと、俺は仕事があります。」


「平日はだいたい八時から十九時くらいまで家にいません。」


「遅くなる時もあります。」


「仕事は仕方がないわ。」


「できるだけ早く帰るようにはします。」


「別に監禁しようとか、そんなことは考えてませんので。」


「戸締りだけしてもらえれば、家では自由に過ごしてもらって大丈夫です。」


「戸締りしたら、何をしててもいいの?」


「はい。」


「そこは自由です。」


セラは少し考えた。


「それと、できれば家事をしてもらえれば助かります。」


「わかったわ。」


青斗は少し安心した顔をした。


「それで……仕事はいつ頃です?」


「仕事が終わってからじゃないと無理です。」


青斗はため息をついた。


「仕事って……」


「破滅なんですよね?」


「物騒なんで、さすがにそれは心配です。」


「セラさんは女の子だし。」


少し考えてから言った。


「念のため、その時は俺も付き添います。」


セラは少し驚いた顔をした。


「付き添うの?」


「はい。」


「危ない仕事みたいなので。」


青斗は続けた。


「それと俺、土曜日の午前中はヴァイオリン教室があります。」


「その時は付き添えないです。」


「ヴァイオリン?」


「趣味です。」


「なるほど。」


青斗は少し照れながら言った。


「ご飯はできるだけ一緒に食べましょう。」


「朝と夜くらいですが。」


「そんな感じでどうでしょう。」


「ルールは問題があれば、その都度考えるということで。」


セラは頷いた。


「わかったわ。」


「そうしましょう。」


少しだけ青斗を見て、言った。


「あなた、意外と面白い人間ね。」


「そうか?」


「普通の人間は、悪魔なんて関わらないもの。」


青斗は少し考えて言った。


「いや、コスプレだと思ってるから。」


「……。」


セラは少しだけ笑った。


「しかし、このコスプレ、結構うまくできてますね。」


「服とか、着替えはないんですよね……。」


「ないわ。」


「じゃあ、服はとりあえず……俺の使ってください。」


「明日、セラさんのは買いに行きましょう。」


セラは少し首を傾げた。


「私、他の人には見えないと思うけど。」


「そんな馬鹿な。」


青斗は即答した。


「さっきだって、普通に人通りありましたよ。」


「誰も驚いてなかったし。」


「それは見えてないから。」


「いやいや。」


青斗は首を振った。


「そんな都合のいい話あります?」


セラは少し考えてから言った。


「あなたが変なんじゃない?」


「俺が?」


「悪魔が見える人間なんて、普通いないもの。」


青斗は少しだけ黙った。


「……。」


「いや、コスプレだろ。」


「それと……俺の家にはメイク落としがないので。」


「洗顔はありますけど、女の子用じゃないです。」


「ですから……必要ですよね。」


「薬局ならまだ開いてます。」


「コンビニより近いですし、閉まる前に行きましょう。」


俺たちは薬局に入った。


「どれが必要なんです?」


「よくわからないわ。」


「化粧を落とすのと、化粧品があると嬉しいの。」


メイク落とし。

洗顔。

基礎化粧品。


俺は適当にかごに入れていく。


正直、何が必要なのかよくわからない。


「いいの?こんなに買ってもらって。」


「仕方ないでしょう。」


「必要なんだから。」


その時だった。


近くにいた女性が、俺を見て少し怪訝な顔をした。


……ん?


そのまま通り過ぎていく。


俺はセラと普通に話しながら歩いている。


でも――


通り過ぎる人たちが、なぜか俺をちらちら見てくる。


「……ん?」


まさかな。


「セラ。」


「何?」


「お前、本当に見えてないとか言ってたよな。」


「言ったわ。」


俺は周りを見た。


さっきから、みんな俺を見ている。


いや。


俺だけを見ている。


セラを見ている人は――


誰もいない。


「……。」


俺はゆっくりセラを見た。


「ほら。」


セラは楽しそうに言った。


「言ったでしょう。」


「あなたが変なのよ。」


「いや、俺そこまで変じゃ……。」


俺は少し周りを見た。


通り過ぎる人が、俺をちらちら見ている。


……俺だけを見ている。


セラを見ている人は――


誰もいない。


「……。」


「見えないってことは……。」


「結構厄介なのでは?」


セラは平然としている。


「そうね。」


「だからあなたの家に住むのよ。」


「……は?」


「あなたしか私を見えないんだから。」


「仕方ないでしょう?」


「私、さっきの唐揚げってやつ食べたいんだけど。」


「わかったよ。買おう。」


俺は冷凍食品の唐揚げをカゴに入れた。


「悪魔界にはないのか?」


「ないわ。」


「もったいないな。」


「おいしいのに。」


セラは唐揚げの袋をじっと見ている。


「これが唐揚げ……。」


「そんなに珍しいのか?」


「悪魔界はもっと物騒な食べ物が多いの。」


「いや、どんな食べ物だよ。」


セラは少しだけ満足そうに言った。


「今日は唐揚げの日ね。」


「そんな記念日ないから。」


俺はため息をついた。


「とりあえず、買ったら帰ろう。」


帰り道。


ふと、セラが足を止めた。


「……いたわ」

読んでいただきありがとうございます。


悪魔が見える社会人と、

破滅させに来たはずの悪魔の同居生活が始まりました。


とりあえず今夜は唐揚げです。


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