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第五章 自覚
次に
線が大きく
歪んだのは、
点の人だった。
彼女は
正しい判断を
重ねていた
はずなのに、
気づけば
周囲との
線が
細く、
脆く
なっていた。
「貴方太ったから
お菓子食べるの
やめた方がいいよ」
その言葉で、
教室の空気が
下がった
細かった
線が、
不快な
金属音のような
音を
鳴らした。
私は
見てしまった。
彼女から、
笑顔が
消えた瞬間を。
このままでは、
点の人も
切られる。
私は選んだ。
彼の
やり方を、
真似る
ことを。
言葉を選び、
距離を引き、
線を断った。
自分が
嫌われる
可能性を
承知で。
結果は、
完全な
救いではなかった。
誰かは助かり、
誰かは失われた。
そして、
私は
ようやく
理解した。
切ることも、
見ることも、
どちらも
同じ重さの
代償を
伴う。
成熟とは、
どちらかに
なれることではない。
どちらにも
立ててしまうことだ。




