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第二章 異質
私は「見る人」だった。
触れず、
切らず、
ただ見続ける人。
同じ高校に、「点の人」がいた。
彼女の線は他の人よりも多く、
様々な人と繋がっていた。
点の人は、物事を一瞬で判断できた。
今、何が必要で、
何が不要か。
人を感情ではなく
機能として捉え、
効率よく立ち回る。
その判断は正しく、
間違うことが少なかった。
彼女は言った。
「貴方は考えすぎよ。
思ってること
伝えたらいいのに。」
私は否定しなかった。
彼女が言ってることは
最もな事だと
理解していた。
けれど、
私には説明する言葉を
持っていなかった。
そして、
説明した瞬間に、
この感覚が壊れてしまう。
この感覚こそが、
私から言葉を奪った。
なによりも、
私の発言で
彼女の居場所を
奪う可能性があったから。
もう一人、
「断つ人」がいた。
彼は、
線が見える人間の中でも
異質だった。
絡まった線を見つけると、
迷わず切る。
誰かが傷つく前に。
被害が広がる前に。
彼は
同級生から
冷たい、と言われていた。
正しいが、
残酷だとも。
それでも、
私は
彼を優しい人だと
知っていた。




