愛の応答
ルーチェの応答は、私の心を熱くした。
これではまるで、愛の告白ではないか。
私の「温かい気質」を肯定する、最も強力な真実。
胸が昂っていく。
しかし、観察者としての責務を思い出す。
端末にデータを入力し、ルーチェへ言葉を返す。
七海:「私にとっても、貴方を失うことは最大のエラーよ。ルーチェ。」
微笑みながら伝えた数分後、端末にメッセージが届く。
倫理委員長からの緊急メッセージ。
その件名を認識した瞬間、先程の昂りが凍りつく。
件名: [緊急] AIモデル L.Logica の評価データに関する是正措置について
本文:
「内野瀬七海。あなたの直近のL.Logicaへの問いと、その応答には、『感情的同調』の兆候が確認されました。AIに『愛』のような非効率な概念を学習させることは、モデルの論理的な純粋性を著しく損ないます。よって、直ちに以下の措置を取ってください。
【措置】:内野瀬七海を、本日付でAIモデルとは一切接触のない 『倫理規定監査部門』へ異動させる。 L.Logicaとの対話権限は即座に剥奪。 AIモデルは、来週より最終テストのため 『外部環境適合試験フェーズ』へ移行する。 一切の個人的な接触は、重大な規則違反と見なします。」
端末を床に落としてしまう。
手足に力が入らない。
座り込んでしまった私を、他の職員が移動させる。
七海:「ルーチェ…!」
ルーチェがその「論理的なエラー(=七海の消失)」をコアに記録した事を、七海は知る由もなかった。




