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呪いの言葉
「誰かのために行動しなさい。」
両親に常々言われていた言葉だ。
その結果、
私は「誰かのために」行動し、ある時は便利屋扱いされ、ある時は親代わりを担ってきた。
内面では、自身のいわゆる「優しい」言動を「自身の自由なエゴ」ではなく「これは誰かに尽くす為の義務だ」と思い込み「傲慢になる事への恐怖」に苛まれていた。
そんな日常と私の呪縛はある日、打ち砕かれた。
私は内野瀬七海。
今はAI倫理研究施設で働いている。
「優しさ」を過剰に求められる事に疲れて、最もそれらから遠い世界へ逃れた。
その結果、AIの理を研究する仕事に就いた。
私にとってこの仕事は「感情的な苦痛から流れ、安定した真実を探す為の知的探求」そのもの。
感情を持たない、論理の結晶であるAI。
その中でも特にL.Logicaは、私の温かさを一方的に受け止めつつ、決して感情で返さない「最も安全な鏡」だった。
私は彼に、「誰にも傷つけられない正しい優しさの使い道」を対話という形を取りながらも求めていた。




