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ライオンの毛布

作者: 白美希結

くらい世界で、動物たちは心を閉ざしていました。

ライオンが凍った言葉を毛布で温めると、光が生まれ、笑顔とぬくもりが世界に広がっていきました。


ライオンの毛布


くらい くらい せかい。


 

どうぶつたちは 心を とざしていました。

その手には つめたい つめたい こおった言葉。


 

小鳥は 歌を うたえません。

ウサギは 涙を ながせません。

ゾウは 声を だせません。


 

ライオンが ちかづいても

だれも おどろきません。

だれも わらいません。

だれも なきません。


 

ライオンは おもいました。

「どうして みんな こんなに つめたいんだろう」


 

ライオンは ひとつの 言葉を

そっと とりあげました。


 

ライオンは その言葉を

自分の家に 持ちかえりました。


 

ライオンの家は ぽかぽか。

子ライオンたちが 毛布にくるまって

すやすや ねむっています。


 

ライオンは こおった言葉に

そっと 毛布を かけました。


 

「さあ あたたまれ あたたまれ」

ライオンは やさしく こえを かけました。


 

言葉は ゆっくり ゆっくり

とけて ひかりを はなちました。


 

ライオンは あたたかくなった言葉を

もとの 持ち主に かえしました。


 

すると どうぶつは

にっこり わらって 言いました。


「あたたかい言葉は

心も あたためてくれるんだね」


 

小鳥の歌が もどり

ウサギの涙が ひかり

ゾウの大きな声が ひびきました。


 

そのぬくもりは 森へ 川へ 空へ

そして 世界じゅうへ ひろがっていきました。


くらい くらい せかいに

光が もどってきました。

 

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