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ロマンテックは止まらない
「私、綺麗?」
マスクの上からでは分かりません。と言ったら殺されるのだろうか。
午前2時、急性カップ焼きそばシンドロームに襲われた俺はコンビニに向かう道中、見知らぬ女性に呼び止められた。
「ねぇ、私、綺麗?」
これはあれだ。口裂け女というやつだ。綺麗ですと答えたら、これでも?とマスクを外し、包丁みたいので刺されるやつだ。
では、この時の最善の回答は。
「はぁ(クソデカため息)、不合格じゃ。その振る舞いでは人間は怖がってはくれぬぞ。」
完全上位存在のフリをする。
一瞬でも隙をつくれば、40ヤード走5.0秒の脚力で離脱できる。"バック走"でな。
「か、監査妖怪の方でしたか!」
「いるのかよ!!」
とツッコんでいると彼女はマスクを外してぺこぺこ頭を下げる。
…めちゃくちゃかわいい。
同い年ぐらいの見た目だけど、この世のものとは思えないほどかわいい。ぶかぶかのB系白装束みたいなファッションも相まって、綺麗、というよりは、かわいい。そんで口裂けてないんかい。