血に飢えるもの
マリアは眠り続ける。王子はできるだけ傍についていた。そんな日々が続く中、それは突然訪れた。
「王子!侵入者です!」
「侵入者?まさかっ!」
城に侵入者が侵入したと聞くと王子はその者を連れて来るように兵士達に命ずる。侵入者との格闘の末、侵入者を捕まえ、マリアの元へ連れて来た。だが、それはヴァンパイアでは無かったのだ。
「こいつは………」
それはいつぞやの狼男だった。
「くそっ!離せ!」
「お前…」
「なんだ、誰かと思えばいつぞやの王子じゃねーか?」
狼男は王子を覚えていた。ニタニタと嫌な笑みを浮かべながら王子に話しかける。
「相変わらず美味そうだな。そこの女も見覚えがある。」
「お前、何故城なんかに?」
「その女を起こせる運命の相手を探してるらしいな?」
「!?」
「町ではもっぱらの噂だぞ?王子が死体の公爵令嬢に付きっきりで次期王になんてなれない腑抜けだってな!」
「うるさい!黙れ!お前に何がわかる!」
「わからねーよ。なにもな!」
王子は狼男を早く殺すように兵士に命令した。だが、そこから狼男の目の色が変わる。
「運命の相手、お前じゃねーなら俺じゃねーか?」
「は?」
王子は呆気に取られた。こいつは何を言っているんだろう?まさか、その為にここまで来たのだろうか?
「何を企んでいる?」
「さぁな、だが、試してみてもいいんじゃないのか?」
「お前がマリアに触れるなど恐れ多いと知れ!!」
「いいんだぜ?俺は目覚めてくれなくてもな?」
「っ!」
王子は考えた。嘘に決まっている。狼男がマリアの運命の相手なわけがない!だが、もし本当にそうだったら?
「そんなに大事なら、なおのこと目覚めてほしいんじゃねーか?」
「………何故自分が運命の相手だと?」
「おらぁ、取引したんだ。」
「取引?」
「そう、あの”男”とな。」
不屈の精神で蘇ったツェペシュだったが、瀕死の状態だった。そんなツェペシュの前に現れたのは狼男のフォルモントだった。
「いいざまだなぁ。なあ?伯爵さんよぉ。」
「……」
「もう言葉も発せれねぇーか。」
「………」
ツェペシュは瀕死でなにも言えなかった。そんなツェペシュに狼男はこうもちかけた。
「あの女、美味そうだったなぁ。お前が守ったあの女……」
「……っ」
「俺に譲ってくれねぇか?」
「……」
誰のことを言っているのだろう?
ツェペシュは瀕死の復活故、記憶障害を起こしていた。狼男は続ける。
「お前のお気に入りだぁ。さぞ美味いのだろうなぁ?へへっ!俺は優しいからなぁ。いい女だったら殺さないでおいてやってもいいぜ?」
「………」
「お前を助けるかわりにあの女を寄越せ。」
「………!」
「いい条件だろ?助け合いってやつだ!」
何が助け合いだ。食うつもりだ。この男は■■■を食うつもりなんだ。■■■?なんのことだろう?わからないが何か忘れている。
「俺を信じろって?殺さねぇからよぉ?それともここで野垂れ死ぬか?」
「………」
のむしかない。例えその■■■が殺されても。ツェペシュはそれを了承した。
ツェペシュは狼男と契約した。その女を譲り渡すと言う黒魔法に近い血の契約を。
そして、狼男はツェペシュに自信の血を与えた。こうしてツェペシュは復活を果たしたのだ。
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