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好きな気持ち

 結婚を断る理由を聞いたら、カレンがずっと真剣に悩んでいる。


「理由……理由?あれ?」

 カレンが懸念する二つのことをレオンがクリアしたせいで、カレンにとっては断る理由がなくなってしまったようだ。


「……あっ、私はまだあなたのこと好きじゃないわ!それにあなたが私を好きだって気持ちもただの気の迷いかもしれないじゃない」

 そうよそうよ、とカレンはいいことを思いついたと言わんばかりに目を輝かせてそう言う。何だよそれ、すごく気に食わない。レオンは思わずふくれてしまった。


「俺のこの気持ちを気の迷いだなんて、そんな風に言わないでくれるかな」

 カレンの両手をまた掴んで、レオンはカレンをじっと見つめる。カレンは手を離そうとするが、レオンはその手を絶対に離したりなんかしない。


「カレンのことを思うと胸がドキドキする。こうして見つめているだけで胸が苦しいし、でもやっぱり嬉しいんだ。触れる手が小さくて守ってあげたくなる。カレンに会わない日でも、なぜかカレンのことを考えてしまう。今何をしてるんだろうって」


 一つ一つしっかりと伝わるように、カレンに告げていくとカレンはどんどん顔を赤くしていく。なんて可愛らしいんだろう、本当は今すぐにでも抱きしめてしまいたいのに。


「この気持ちが気の迷い?やめてくれ。そんなんじゃない、これは本気だ。本気で君のことが好きなんだよ」

 ちゅ、と掴んだ両手に小さくキスをする。カレンを見ると、驚きのあまり口をぱくぱくとさせて言葉が出ないようだ。


「わかってくれた?」

 レオンが顔を覗き込めばカレンは顔を真っ赤にして首を縦にぶんぶんと振った。


「よかった」

 ホッとすると、カレンは何かに気づいたようにぼうっと前方を見つめている。


「カレン?どうしかした?」

「あっ、えっと」

 カレンは驚いて目を合わせるが、また照れたように目を逸らした。そんな様子も可愛らしいけれど、一体どうしたんだろう。


「あ、あのね、今レオンの話を聞いていて思ったんだけど」

 カレンは一つ一つ何かを考えながら言葉を発している。


「私も、レオンとこうして話をしていると胸がドキドキするの。なぜかわからないけれど顔も熱くなってしまうし。レオンが帰ってしまうとなぜか残念な気持ちになって、また来てくれると何だかとても嬉しいの。これって、もしかして」

 カレンの透き通るような美しい水色の瞳がレオンの両目をしっかり見つめてこう言った。


「私、あなたのことが好きなのかしら?」




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