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双子の姉は不運でも、妹を守るために頑張ります。  作者: イヨリ
第一章〜生活の基盤を整えよう!〜
9/12

閑話


恵 side



 私の名前は恵。お姉ちゃん、雫の双子の妹だ。

私はお姉ちゃんとはあまり年は離れていないけど、年上のお姉ちゃんのように感じるときがある。


そして、あの日。買い物に行ったとき、私達は死んだ。でも、なんでか、異世界へと転生してしまった。


不安だった。いきなり、知らない場所にとばされて。


不安を押し隠して、お姉ちゃんに明るく振る舞って、その日1日を、過ごす。

そして、部屋でお姉ちゃんと一緒に寝る。


「恵……もう寝た?」


背中越しに声が聞こえてきた。


「ううん、どうしたの?」

なんだろう…と思いつつ返事をする。


「ごめんね…」


「どうして…謝るの?」



――数秒の沈黙の後お姉ちゃんが喉を震わせながら言葉を口にする。


「守れ…なかっ…たッ……から」


「そんなことないよ。」


私は言われた言葉に対して直ぐに言葉が出てくる。


「お姉ちゃんはいつも私を守ってくれてるよ。隣にいてくれて……もう、過保護なくらいに」


少し笑みがこぼれてしまう。お姉ちゃんの方を向く。


「いつもありがと。そんなお姉ちゃんが、私…大好きだよ」


…お姉ちゃんが泣いている。

落ち着いているように見えているけど、内心色々考えて、表情には出ないけど繊細で、知らない所で泣いている。


お姉ちゃんを抱きしめる。


「恵…?」


困惑したようにそう言うお姉ちゃん。


「泣いてるお姉ちゃんに、妹の胸を貸してあげようと思って」


お姉ちゃんが、自分の頬に触れる。

…気付かなかったのかな?


「じゃあ…御言葉に甘えて……」


そっと、胸に顔を押し付けられる。

暫く泣いていたお姉ちゃんは、寝息を立てていた。


(寝ちゃったかな?)


本当に不安だった。でも、私が笑顔を浮かべられたのは…この温もりのおかげ。


その温もりで、眠気がくる。



「お姉ちゃん……ありがと……。」


と、言葉を口にして、意識を手放した。





雫 side



その日の夜。転生して…異世界での初めての夜。

恵と一緒に、ベットに入る


すぐに寝ようと思ったが、隣の…恵がトラックに轢かれたときのことを思い出して、不安が襲う。


「恵……もう寝た?」


思わず声を掛けてしまう。


「ううん、どうしたの?」


何を言おうか考えていると思わず


「ごめんね…」


少し間が空いた。


「どうして…謝るの?」


あのときの光景を思い出してしまい、喉が震える。


「守れ…なかっ…たッ……から」


「そんなことないよ。」


言った言葉に、すぐ言葉が返ってくる。


そして、恵は私に「ありがとう。大好きだよ」と、言ってくれる。


恵は腕を広げる。

そして、抱きしめられる。


疑問に思っていると

「泣いてるお姉ちゃんに、妹の胸を貸してあげようと思って」と言う。


ん?泣いている?と、頬に触れてみる。触ったところは濡れていた。


気恥ずかしく思いつつも

「じゃあ…御言葉に甘えて……」と抱きつくようにして顔を埋める。


……この温もり、温かいな…絶対に守りきらないと…


暫くすると意識がまどろみ始める。

安心と決意を胸に、意識を手放す。







―――――朝日で目が覚める。

「ん、…………」


「くァ〜〜」と、大きく伸びをしてベットから降りる。

……。

昨日のことを恵の顔を見ると思い出してしまう。


この、何でもクローゼットを開け服を取り着替え始める。


……いや、ほんとにすごい。どうなってるの?


この、女神様特性のクローゼットはいろんなものが入っている。


「んぅ……」


「フワ~~」と目を擦りながら、大きな欠伸をする、恵。


「おはよう、恵。起こしちゃった?」


「んーん、だいじょーぶ…」


と言って、ニヘラァと気の抜ける笑顔を浮かべる。


「じゃ、着替えて朝ごはんにしよう?」


「うん!」






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