そこにはボタン。
「―――ちゃ―!―――ちゃん!」
誰かに呼ばれている気がする…。
「お姉ちゃん!!!!」
「んっ?」まだ意識がぼんやりしているが妹の声を聞いて目が覚める。
「…恵!?恵なの!?大丈夫なの?ていう…か…ここって……どこ?」
そう。目が覚めたら白い部屋にいた。
「落ち着いて、お姉ちゃん。」
妹に言われ少し落ち着いてきた。
「ていうかなんでそんな落ち着いてるの?」
「うーん…お姉ちゃんがいるから?」
「何それ…」
大分意味不明なことを言っている妹に、少し安心感を抱く。
改めてあたりを見回してみる。奥の方にはボタンがあった。
そう、ボタンが…。
「えっ?ボタン?」
「も〜お姉ちゃん何言ってるの?そんなのある訳……え、何アレ」
「うーん…何かなあれ?……押してみる?」
「まあ、他に何もなさそうだしね〜」
意を決してボタンを…
「行くよ?」
「う…うん」
押した。
…ポチッという小気味いい音を鳴らして………。
光った。
そう。光った。
そして、周囲を光が包み込み…
「「えっ!?なになに?」」
それから、少し後
光が止んでくると二人の女性…
とてもこの世のものでは無いような
美しさを持った女性が現れた。
『どうも、こんにちは。』
二人の女性が仰々しく礼をとった。
そして言ってのけた。
『女神です』
一一一
「「えええええええ~~~!!!!?????」」
めっちゃ驚いた。
妹も。
『フフフ、そんなに驚かれると少し笑ってしまいますね』
『ええ。そうですね、お姉様』
どうやらこの女神は姉妹らしい。
とても仲が良さそうだ…などとそんなことを考えていると…
『あなた達は死にました。まあ、これは気まぐれですがあなた達を転生させようと思います』
なんと…気まぐれで転生させられるらしい…
「てん…せい?」
妹が少しびく付きながら聞いた。
『ええ。お姉様があなた達の仲の良さ…絆を見て哀れに思ったそうなのです。』
「えーと、それは…ありがとうございます…?」
『お礼などいりませんよ。実はこっちの世界でも少し問題がありまして。解決しなくても良いのですが…一応です。まあ、好きに生きて下さっていいですよ。』
えーと、まあ、好きに生きていいなら別に…いいかな?
「恵はどう思う?」
「いいんじゃないかなー?」
若干調子が戻ったらしくいつものように答える。
『了承して頂けたようで良かったです。では、自己紹介と行きましょうか。
私は天候を司る女神ウェスティア。そして』
『妹の豊穣を司る女神グリスティアです。』
『では、この世界アリステリアの説明をします。グリスティア』
『はい。お姉様。まず、この世界では魔法が存在します。また魔物と呼ばれる獣やエルフ獣人など、多様な種族が存在します。…とまあ、このくらいで良いでしょう。あとは自分の目で見て知っていってください。』
なるほど…そんな世界に行くのか…
『そこで、あなた達には私達女神の加護を与えましょう。』
私達の周囲が白く光る。
「「うわぁぁあ!」」
…しばらくすると光が収まった。
「な…何だったのかな?」
「さ…さぁ…」
『では、「ステータス」と唱えてください』
「「…ステータス」」
シズク・ミナセ
種族 人間
Lv.18
年齢17
HP 1400
MP 1200
力 240
魔力 460
敏捷 490
跳躍 360
器用 480
幸運 2
スキル:剣術Lv. 4 見切りLv.5 瞬発
固有スキル:天候操作Lv.5
称号:異世界の転生者、天候を司る女神の加護を受けし者
所持スキルポイント180
メグミ・ミナセ
種族 人間
Lv.17
年齢17
HP 1460
MP 3000
力 230
魔力 570
敏捷 300
跳躍 270
器用 500
幸運 230
スキル:弓術Lv.5 狙撃Lv.5 集中
固有スキル:自然操作Lv.5
称号:異世界の転生者、豊穣を司る女神の加護を受けし者
所持スキルポイント180
うーん…幸運値ヒックいなー…
ちょっと悲しくなってきた…
おっ、妹が驚いてる。
…久しぶりに見たな。癒やされる…。
『さて、では確認ができたところでそれらについて説明しましょう。まず――――と言うわけです』
『さて、説明が終わったところで、そろそろ地上に送ろうと思います。では、行きますよ?』
「はい。ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
私と妹がお礼を言うと周囲が白い光に包まれる。あまりの眩しさに目を瞑る…
そして目を開けると――――――――
次回地上に出ます。