謎の女騎士………
…………。
…………………。
「うんぅ…」
カーテンの間から朝日が差し込む。
その眩しさに目が覚めた。
隣を見ると恵がいる。
(よかった、今度は守れた…)
そう思って、頭を撫でる。
恵はくすぐったそうに身をよじった。
「ふふっ」
思わず顔が綻ぶ。
(今日は起こさなくても良いかな)
「おはよ、雫」
こっそりと、フェリスが話しかけてくる。
少し前から起きていたらしい。
「おはよう、フェリス」
同じように応える。
「フェリス、恵のことお願いできる?ちょっと行ってくるよ」
「ええ、任せなさい。行ってらっしゃい」
優しい笑顔でそう言って、私も同じように笑顔で
「行ってきます」と言って出る。
――――――八の鐘の少し前。
冒険者ギルドに着きました。
「さて、中に入ってみるか…」
中に入ると声を掛けてきた女騎士がいた。
女騎士は金髪で碧眼。髪は邪魔にならないようにかまとめて結んで後ろに流してある。
目は少し釣り上がっていて、少しキツそうな印象を受けた。
「やあ、来てくれたか」
「ええ、はい」
以外に陽気な対応に少し驚く。
(厳しそうな人だと思ったけど…楽しい人なのかな?)
「ここでは話せないから、部屋を用意させてある。そこで話そう」
そして、歩いていく女騎士についていくと、応接室と思われる部屋についた。
なかに入ると少し豪華な感じで、一体何の話をするのかと緊張してくる。
他には騎士が何人かいる。
「さあ、掛けてくれ」
「はい…」
おずおずと椅子に座る。
「そう身構えなくて良い。楽にしてくれ」
「あ、はい。ありがとうございます」
「まずは、報酬を渡しておこう。ここへ」
と女騎士が近くの騎士に、何やら革袋を持ってこさせる。
それを机に置くと、ドスッと言う音とジャラリという音が聞こえた。
「えっとこれは………?」
「無論、報酬だ」
「多くないですか?」
「ああ、説明していなかったな。これはあの男達の懸賞金さ」
そう言って説明しだす。
なんと、あの男達(雷で打たれた)は賞金首だったらしい。
ただ、それは一部で盗賊団『ドラゴンヘッド』と言うグループが大本であるらしい。
なんと、首魁の懸賞金はこの革袋の5倍らしい。
(この5倍って…)
ちなみに、机の上にある革袋は、だいたい直径三十センチほどある。
盗賊団は貴族のお偉いさんを襲ったり、人や亜人を奴隷として裏で売買しているらしい。
「なるほど、これは分かりました。じゃあ、話ってなんですか?」
「うむ。その前に自己紹介だな。私の名はクリステア・ローエン。……と言うのが今の名前だ」
「今?」
「ああ、この際本当のことを言っていたほうが良いだろう。
私はセルヴィア・ノス・アスト。この国の王女だ」
「!…王女様?す、」
失礼なことをしていたのではと、謝ろうとする。
「待て、謝らんで良い。非公式故、な?」
「わ、分かりました」
「ふむ、貴女はなんと呼べば良い?」
「あっ、すみません。自己紹介がまだでしたね。シズク・ミナセです。宜しくお願いします」
「うむ、シズクだな。良い名だ。早速だが聞きたいことがある」
「なんでしょうか…?」
「ああ、昨晩のあの力一体何なのだ?」
「えーと、あれは…偶然じゃないでしょうか、…?」
「む?そうか?あの雷、人質を避けていたようだが?」
「えーと…」
「なにか言えぬ事情でも?」
「まあ、そんなとこなんですが…」
「ふむ、なるほど。まあ、いいだろう」
なにか納得したらしい…。
「今日は貴重な時間をありがとう。それでは、また」
「はい、ありがとうございました」
そう言って部屋から出る。
少し緊張したけどいい人みたいで、よかった。
力に関しては誤魔化せたかな…?
まあ、深く考えないで戻ろうかな…
クリステアside
「ふむ…どう思う?」
「低いかと」
近くにいた騎士にクリステアは聞いた。
「まあ、放置で良いか。悪いやつでは無さそうだ」
あの力は一体…?
気になる事はあるが
「なあ、あの件はどうなっている?」
「はっ!只今情報を吐かせようとしてますが、まだ掛かりそうです!!」
「そうか…。暫くはここに留まるぞ」
「「「はっ!!」」」
何人かの騎士が同時に返事する。
(さぁ、『ドラゴンヘッド』そろそろ、その悪行も終わりだ)
硬い表情で足を組み手を組む。
雫side
………。
うーーん…。どうしようこれ……。
ずっしりとした重みを伝えてくる革袋を見下ろす。
…まあ、帰るか。
まっすぐ、宿に戻る。
ーーーーー。
「ただいまー」
ガチャッと、ドアノブを回してなかに入る。
「お帰りなさい」
応えたのはフェリスだけだった。
見るとまだ恵は寝ている。
部屋に入って恵のそばに座る。
「…それなに?シズク」
ドスッと机に置いた革袋に視線が向いている。
「えーっと、金貨100枚…かな?」
「へー、金貨100枚………」
ポカンとして直ぐに顔が青くなっていく
「えっ!!?金貨100枚!?」
驚きすぎて何とも言えない顔になっている。
「フェリスって、神獣の割に俗世に染まってるよね」
「え?ああ、ずっと森にいるわけないでしょ?」
「あ、ああ。そういうこと…」
すごい、今にも「だって、暇じゃない?」と言いそうな顔であっけらかんと答える。
他愛の無い会話をしていると、隣から「うんぅ…」と聞こえてくる。
「うんぅ、ふぁぁぁ〜。おはよ〜お姉ちゃん、フェリスゥ」
「おはよう恵」
「おはよう」
私とフェリスは笑顔で応える
「お寝坊さんだね、恵」
「ふ〜ん…」
まだ寝ぼけているようだ。
「起きて、恵。ご飯食べに行こう」
「ご飯!!!行く!!!」
ガバッと身体を起こして、身支度を整えてくる。
「行こ!」
貰ったお金でちょっといいものを食べに行く。
このあとのことは、食べ終わってから話し合うかな。




