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双子の姉は不運でも、妹を守るために頑張ります。  作者: イヨリ
第一章〜生活の基盤を整えよう!〜
11/12

今度こそ守る…

―――領主の話を聞いたあと、私達は話し合っていた。


「どうする?討伐に行く?」


「そうねぇ…私は良いけど」


「いいよ!お姉ちゃんについていく!」


「まぁ、いざとなったら私が守ってあげる」


フェリスの心強い言葉を聞いて、安心する。


「じゃあ、行こう」


そうして武器を持って、門の方へ向かう。途中に同じように武器を持っていく人を見かけた。

…同じ冒険者だろうか、経験豊富そうである。


本当に大丈夫だろうか…。そんなことを思う。恵を守って魔物を倒せるだろうか…。

そんなことを考えていたら、門についていた。


そこは、見るに耐えない光景だった。私達は死体も、内臓も見ない世界から来た。そんな私達が見たのは、腸が飛び出ている兵士の亡骸…、体の一部を失って血を流している兵士や、逃げ遅れた市民。

辺りは血と死が溢れていた…。


「ひっ…」


恵が小さく息を漏らす。

…はっ、そうだ…私は恵を守るんだ…。こんなことで臆している暇はない。


決意を固め、進む。


「恵、無理しなくていいよ。」


振り返らずに言う。誓ったんだ、あの時に。何があっても守るんだって、そう誓った。


「待ってて」


「いや、…お姉ちゃん」


恵を恐怖が支配していた。

そんな恵をフェリスに任せる。


「フェリス、恵をお願い。安全ところまで連れて行って」


「わかったわ、雫。すぐ戻るわ」


「お姉ちゃん…」


恵の心配そうな声が聞こえる。それに私は…


「大丈夫だよ」と、一言だけ残して魔物に、立ち向かう。


…怖い。嫌だ。死にたくない。そんな感情が湧き上がってくる。

でも、それ以上に、守る。という決意がそれを堰き止めた。


「はぁぁぁぁ!」


魔物に斬りかかっていく。魔物にめり込んだ武器は、重かったが、全身を使って振り抜く。すると、赤黒い血が飛び出す。

魔物は半分になって、崩れ落ちた。

一匹倒して安堵しそうになるが、まだ魔物は残っている。油断せず次の魔物へと斬りかかる。

倒して、倒して、倒し続けて…辺りは血の池と化していた。それに気付かないくらい、集中していた。

私は、足を滑らせてしまう。土が、血によってぬかるんでいた。

しまっ……

そう思ったとき、目の前に魔物の、私を引き裂くための鉤爪が、迫っていた……。



フェリスside


「恵、行くわよ」


そう言って恵の手を取り、走り出す。領主の館を目指して。


「フェリス、でも、お姉ちゃんが!」


「大丈夫よ、雫なら。あんたのお姉ちゃんでしょ。それに恵を、送ったら私も加勢するから」


恵を、落ち着かせようとそう言う。


「わかった…」


恵は、そう言って走り出す。




――――領主の館についた。そこには、避難民がたくさんいる。


「じゃあ、恵。待ってなさいよ、すぐ戻るわ」


笑顔で、告げて、走る。

少し心配である。雫のステータスを見たとき、実力は有ったが、幸運値が低すぎた。世界最弱のステータスのスライムにすら劣っていた。

雫に何かあるかもしれない。そう思って走る。


さっきは、恵に合せてたから、時間がかかってしまった。フェリスのスピードなら、ものの数分で門にたどり着く。


門について、雫を探す。雫を見つけたと思ったら、足を滑らせて魔物に切りかかられようとしていた。


「危ない!!」


叫んで、全速力で魔物を殴る。魔物は粉々になって、赤黒い液体が顔を汚す。

だが、そんなことよりと、雫の方を向いて声をかける。


「大丈夫かしら?」


心配を隠して、意地悪いような笑顔で。




雫side


来る…と思っていた、鉤爪はこず目の前で魔物が粉砕されていた。

「えっ?」と、思わず声に出るが、よく見ると、フェリスがいた。

フェリスは、こっちを向いて少し返り血のついた顔で、意地の悪いような笑顔で「大丈夫かしら?」と言う。

それに、安心感を抱きつつ「ありがとう」と言う。


「フェリス、顔に返り血がついてるよ」


「あら、気付かなかったわ」


そう言って顔を拭う。

…さて、どうしようか。このまま討伐を続けようかな…。


「恵のところに戻る?」


「そうね、戻りましょう」


恵のとこへ戻ることにする。

「急ごう」と言って、駆け出す。




…なんだろ、騒がしい…?

急ごう。私の勘が、嫌な予感を告げている。

悲しいことに私の勘は、よく当たる。

悪い事は特に。



「おいっ!!!こいつがどうなってもいいのか!!?」


そう言っているのは、フードを目深にかぶっている男。他にも4人程いるようだ。

人質がいるけど…あれは………?

…恵!!!?


「いるんだろう!ここに、この国の王女セルヴィア・ノス・アストが!」


恵が捕まって、首にナイフを当てられている。何を言っているのかよく分からない。恵のことで頭の中が一杯だ。


「………。」


「雫?」


「………を………」


静かに怒りと焦燥が湧き上がってくる。


「恵を………せ…!」


前に出て、男達の前にでる。


「おねえ…ちゃ…」


「あ?!なんだよ!てめぇ!!」


「……………」


「なんだ?命乞いか?いいぞ?言ってみろよ。もしかしたら気が変わるかもな?げへへへへ」


男達が品のない笑い声をあげる。


「恵を……」


「あ?なんだっ?」


「恵を離せ!!!」


「は?何言ってん――――」

男がなにか言いかけた瞬間、男達に雷が直撃した。

「かっ……は………」

男達が、地に崩れ落ちる。雷は何故か恵を避けたようで、恵は無事だった。


「恵!!!」


駆け寄って抱きしめる。


「良かった!!!」


「お姉ちゃん…。私は大丈夫だよ」


「――――捕らえろ!」

後ろで声が聞こえるが、気にせず恵を抱きしめる。


「けほっ…苦しいよお姉ちゃん」


そう言って笑う恵は、少し震えていた。


「恵…無事で良かったわ」


「フェリス…」


「雫、1度宿に戻りましょう」


「……うん」


踵を返して、宿に向かおうとしたら、呼び止められる。


「済まない、話を聴きたいのだが」


女騎士が、話しかけてくる。だが、今は時間が欲しいので、断る。


「ごめんなさい。今日のところは許してもらえませんか?」


「……そうですか。わかりました。では、明日の、八の鐘に、冒険者ギルドにて、お待ちしています」


「…わかりました。では」



そうして、宿に向かう。

…本当に良かった。今度は守れた。


宿に着く。部屋に入って恵に、話しかける。


「恵、疲れたでしょ、もう寝よっか」


「お姉ちゃん…」


「ん?」


「…一緒に寝てもいい?」


「…うん。寝よっか」


「うん!」


寝間着に着替えて、ベットに入る。

恵は少し震えていた。

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