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睦月と萌  作者: 乙 君
9/16

第9話 「ショパンのエチュード」

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「ただいまぁ〜」


『おかえりなさい、今日は早かったのね』


「練習の途中で気分が悪くなっちゃって、保健の先生が、今日は帰りなさいって」


『まぁ、大丈夫なの?』


「大丈夫、大丈夫。ただの貧血よ」


『そう。お願いだから、ちょっとでも体調が悪くなったらすぐに教えてね』


「わかってるって」


「ピアノ弾いてくるね」



「ママってば、睦っちの事以来すっかり健康にうるさくなったの」


〈心配かけちゃったね〉



「さてと、1日1回で2時間以内ってことは、今16:30だから、ちょうど夕ご飯まで弾けるわね」


〈いいの?〉


「いいに決まってるわよ」


「弾きたかったんでしょ?」


〈うん、じゃ乗り移るね〉


その瞬間、萌の霊体が外に出た。


〈何これ、すっごーい。私浮かんでいるわ〉



「萌、ありがとう。時間まで弾かせてもらうね」


「まずはショパンっと」

ショパンのエチュードを次々に弾いていく。


〈懐かしい、睦っちのメロディーだ。〉

〈すぐに睦っちの演奏ってわかるわ〉



すると突然、お母さんが部屋に入ってきた。


〈ひっ〉

びっくりしたのは萌だった。


『萌、今、萌が弾いてたの?』


「そうよ、もしかして下手になってた?」


『違うの、睦月が弾いているのかと思って』


『やっぱり双子ね。ありがとう、睦月の弾き方を大事にしてくれて』


『ご飯を作りながら、聞いているわね』



〈びっくりしたぁ。ママには私が見えないんだ。〉


〈それにしても、ピアノを聴くだけで睦月とわかるなんて、さすがママ〉


〈どうしたの睦っち、泣いているの?〉


「ううん、いつも私のピアノを、聴いてくれてたんだなぁと思って、嬉しくなっちゃった」


〈ホラ、あと30分しかないよ〉

〈どんどん弾いて〉



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



夕食の時間に、お母さんがお父さんと大地に向かって話している。


『萌のピアノすごいのよ。睦月と同じ、いえ超えるわ、天国で睦月もきっと喜ぶわ』


『今度の定期演奏会、萌が弾くのよね?』


『お母さん、絶対に聞きに行くわ』



睦月といえば、天国に行きそびれて、隣に座ってるんだけどね。



睦っち、みんなと一緒で嬉しそう。


家族全員で話せたらもっと楽しいだろうな。



夕食後、睦っちは、天国への案内人、アンナさんの所に用事があるとかで、飛んでった。


明日の朝も起こしてくれるそうだ。

嬉しい。


明日土曜日、午後はオケの練習だ。


明日は何を弾いてもらおうかな?

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