第2話 「学園祭」
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星野睦月、中2、私の双子のお姉ちゃん。
星野萌、私の方が妹。
性格は、睦っちが内向的で、萌が外交的って言われている。
けど本当はおんなじ。根っこは一緒。
睦っちは、学園祭までは元気だった。
何も変わらず、本当に元気だった。
ピアノコンチェルトを弾ききって、
とても幸せそうに笑っていた。
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『萌っ、お前もちゃんと20番、さらってるか?』
斉藤俊介、橘学園中等部のオーケストラ部の部長で学生指揮者。
将来は、大学の指揮科に行きたいらしい。
睦っちと私、萌の1つ上の幼馴染でもある。
来週の学園祭で、我らオーケストラ部は、モーツァルトのピアノコンチェルト第20番を演奏する。
指揮は俊介、ピアノソリストは睦っち、その控えが私。
「さらってるわよ、睦っちと一緒に」
『睦月の全てを真似をする必要はないんだぞ、自分の表現でも、さらっておけよ』
私の表現したい目標が、睦っちの表現と同じなんだからしょうがないじゃん。もう。
俊介が私の近くに来て、私のピアノ譜を手に取って見た。
「すごい書き込みでしょ。真っ黒。音階が読めないかも」
『悪いな、萌。好きなチェロで乗れなくて』
「いいわよ、そのくらい。それよりも明日ゲネプロを控えている、睦っちに何か言った方が良くない?」
『そうだな、ありがとう』
俊介は睦っちの方へ歩いて行った。
明日から2日間、橘学園学園祭。
明後日の日曜日には、15時からオーケストラ部の演奏会がある。
序曲とサブは中等部が受け持ち、メインは高等部が演奏する。
今年の曲目は、序曲が学園歌、編曲は我らが学指揮の斉藤俊介。
サブがモーツァルトのピアノコンチェルト第20番。
メインがベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」
私はピアノコンチェルトには控えで出れないけど、ベートーヴェンには、特別にチェロで出してもらえることになった。
でも序曲がねぇ、もう完全に現代曲。
学園歌の面影もメロディもない。
全弦楽器にハーモニック演奏させるなんて信じられない。私たち中学生よ。
俊介の編曲、やりすぎじゃない?