第12話 「ネゴシエーション」
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夕食後、自分の部屋に戻ってきた。
「睦っち、いる?」
〈今、戻ったわ〉
そこには、睦月と9歳位の女の子が立っていた。
その女の子は、白いワンピースを着て、背中から白い翼を生やしていた。
手には「マジカルスティック」と呼びそうなほどカラフルな杖を持っていた。
「天使?」
大丈夫なのだろうか?
こんな子が天使で、天国の門番が務まるのだろうか?
〈はじめまして、萌ちゃん。私がアンナよ〉
〈それに、失礼なこと言わないで、ちゃんと務まるわ。こう見えても129歳で、案内係の係長なんだから〉
「そ、そうなの?」
〈で、私に用って一体何かしら?〉
「アンナちゃんにお願いがあるの」
〈交渉でなく、お願いなの?〉
「交渉よ。睦っちが私に乗り移れる時間を変えて欲しいの」
〈連続2時間以上はダメ。上司に失敗したことがばれちゃうもの〉
〈あっ、今のは聞かなかった事に〉
「やっぱりそういうこと。じゃあ、1週間合計14時間、1回2時間以内でいつでも好きな時に乗り移れるようにして」
「これなら全体の時間は変わらないわよ」
〈うーん、でもなぁ〉
「もしダメならバラしちゃうから」
〈どうやって?〉
「睦っちに、3時間連続で乗り移ってもらおうかな?」
〈それはダメ、絶対にダメ。課長にばれちゃう〉
「ならOKね」
〈わかったわよ。そのくらいなら手を打つわ〉
〈そのかわり、絶対に連続して2時間以上はダメよ〉
〈睦月がこっちへ来られなくなるかもしれないわよ〉
「ありがとう、アンナ」
〈ねぇアンナ、私からも質問があるんだけど〉
〈なあに、睦月〉
〈次に天国の門が開くのはいつ? 何時?」
〈んとね、え〜と、ヒーフーミーの、うん多分、12月24日の0時から24時まで〉
〈「定期演奏会の日だ」〉
私と睦っちは一緒に叫んだ。
でも、確認がなんかおかしい。大丈夫か?