表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
睦月と萌  作者: 乙 君
11/16

第11話 「幼馴染みから」

誤字脱字等なんでも指摘してください


感想を頂けると励みになります


よろしくお願いします

2時間経った。


睦月と萌は元に入れ替わった。


今日のピアノコンチェルトの練習時間が終わった。


この後は、高等部の練習時間だ。



「ねぇ俊介、この後時間ある?」


『ああ、あるぞ。それよりお前、だいぶ練習したんだな。睦月と同じ演奏が出来てたぞ』


『萌先輩、ピアノ、とっても良かったです』

名前のわからない後輩から褒められた。


〈萌、お礼、お礼〉


「あ、ありがとうね」


弾いていたのは睦っちなんだけどね。


あとオケの後輩の名前、まだ覚えてないや。


〈ふふ、萌らしいわね〉



ねぇ睦っち、アンナさんと話せるかな?


〈えっ、大丈夫だと思うけど、どんな内容?〉


失敗したんだから、もっと譲歩してもらわなくちゃ。


〈ちょっと聞いてくるわね。夕ご飯までには戻るわ〉


そう言うと、睦っちが飛んで行き、壁をすり抜けていった。


意外とホラー味もあるわね。



『萌、帰り支度終わったぞ。何だ用事って』


「帰り道、歩きながら話そう」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「俊介と帰るのって久しぶりね」


『そうだな、その時にはいつも睦月もいたな』


「そうね、ねぇ俊介、明日ヒマ?」


『なんの予定もないけど』


「なら、遊園地に一緒に行こう!」


『えっ』


「睦っちと約束してたんだ。学祭が終わったら、一緒に行こうって」


「コンサート終わった次の日曜日に行こうって。チケットも買っちゃってたんだ。3枚」


『3枚?』


「ふふ、コンサート後に、俊介も誘うつもりだったから」



約束していたのは本当だ。


俊介を入れて3人で行くつもりだった。


でも私はその日、風邪をひくつもりでいた。



「だから、睦っちとの約束を果たしたいの」


『わかった、明日一緒に行こう』


「ありがとう、俊介」



「明日の朝7時に、駅の改札で待ち合わせね」



「あ、ここまででいいわ。遠回りさせて送ってもらっちゃったね。ごめんね、そしてありがとう」


「じゃあ、また明日。バイバーイ」


『じゃあな』



『睦月が亡くなってから1週間、俺も萌もまだ心の整理がついていない』


『特に萌だ。睦月をだいぶ引きずってる』


『今日のピアノは、睦月になろうとしていた。いや、睦月そのものだった』


『俺と睦月は学園内で、交際しているのではと、思われていたのは知っている』


『俺にとって睦月と萌は、幼馴染みで妹みたいな感じだ』


『だが、睦月にとっては、萌にとってはどうなんだろう』


『学祭での演奏は、本当に素晴らしかった』


『睦月が本当に、命を削って奏でた演奏だ』


『演奏中、何度も睦月からの愛のメッセージが届いた』


『ところが、今日もメッセージを感じた。萌の演奏から』


『俺は2人のうち、どちらが好きなんだろう』


『今はどちらでもない、だがこれからは?』


『明日のデートで、何か変わるのだろうか』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ