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とりあえず旅に出よう  作者: ゆたか
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遊び人が賢者になるってありだよね

ルナに進められるがままについて行くことになったみんな。ルナは誰かまた呼んでいるらしく携帯電話の先で甲高い声が聴こえるも用件を言うとさっさと切ってしまった。辿り着いた場所は大きな建物の前だった。「バーチャルリアリティファンタジア・・・?」色々と突っ込みたいことあるな・・・とボサーっと立っていると急いで走りながら甲高い声がしてきた。「ちょっとお姉ちゃん!いっつも連絡つかないし何処ほっつき歩いてるのよ!それも急に来いとか!って、え”!!」息を切らしながら文句を言ったかと思うとみんなを見るなりまた変な声を出す。「りなたんお疲れぽん。」いち早く声をかけたのはマシィだった。「何?あなた達も一緒だったの!?」驚きと疲れの声をあげるリナ。リナとルナは姉妹なのだ。ルナが起業している配達業でリナは働いている。「で?今日は大勢で何をするわけ?お姉ちゃん。」何だかんだで話を聞いてあげる面倒見のいい妹のようだ。「ここ。最近私が作ったアミューズメント的なものなんだけどね、せっかくだから人数多い方が楽しいって思ってね~」みんなよく分からないままルナに続いて受付を済ませ奥の一室に入っていく。部屋に入るとすでに辺りの情景が変わりだし説明が始まった。「バーチャルリアリティファンタジアへようこそ!みなさんには本物さながらのバトルをしていただきます。安全のため一人ひとり指定の場所に立って外に落ちないように入り口のロックを入れてください。」みんなそれぞれ間隔の開いた指定の場所に立ち入り口にロックをした。「安全が確保されました。では台にあるヘッドセットを装着してください。防具、武器、装備、痛みレベル、その他の設定をしてください。このバトルでのダメージは直接受けるものではありませんが、痛覚も作用するため痛みレベルをご自分にあったものに設定してください。」説明どおりにみんな設定をする。設定をするとどこかで見たことあるような武道会場が広がった。「ではみなさまごゆっくりお楽しみください」


アナウンスが終わるとさっそくリナが口を開いた。「まずは姉妹対決といきましょうか。」槍を握り締めごうごうと赤黒い炎がリナから見えてみんな異議もなく姉妹対決が始まった。「積年の恨み晴らさせてもらいます!」異様な熱気にみんなビビリまくる。「おいこれホントにバーチャルだよな?」ライメルが引きつりながら呟いた。ビビる見学者をよそに姉は余裕で妹の前に立った。「バトルはこうでなくっちゃ面白くないよね~」ニヒルに笑みを浮かべると舌なめずりをした。「そんじゃあ、ド派手に姉妹喧嘩いくよー!」ルナの大声を合図にリナが全速力でルナに走りこんでいく。ルナは腰に提げていた銃を両手に持つと駆け込んでくるリナに容赦なくぶっ放していく。それを横に逃げながらある程度近寄ると大ジャンプしてルナの頭上から突き刺す勢いで槍ごと落下してきた。それを察知して回転横跳びをするとさっきまで居たルナの地面は槍で串刺しだけでなく隆起するほどの衝撃だった。ルナが発砲したのと同時にリナは着地した直後槍を 引き抜く勢いと一緒に隆起した地面をルナに散らした。石ころと砂埃で目の前をガードしていると砂埃の中から槍の刃先が刺し込んできた。とっさに避けたが刃先が右手の銃に突き刺さり壊れて落ちてしまった。そのまま回避で後ろにルナが飛ぶと一旦攻撃は落ち着いた。


「さすがは都に使えたドラゴンナイトの末裔ね。我が妹にして素晴らしい槍捌きだと褒めてつかわすわ。」銃が一丁ダメになったことは気にしていない様子で余裕しゃくしゃくである。「当たり前よ。私はお姉ちゃんとは違って何でも真面目に勉強してきたのよ。その傍らであんたはいけしゃーしゃーと好きなことをして理不尽に私をこき使って。」握り締めた槍はついにひん曲がって二つに折れてしまった。自分の武器を破ってしまうとは。リナからは業火が立ち昇り目は赤々と光っている。その有様とバトルの凄まじさに他のみんなは固まるばかりである。そのリナにルナはふっと鼻で笑うと左に持っている銃を腰に直した。「貴様はまったくあまちゃんだな。したいことも自らできないくせにそれを人のせいにするのは単なるすり替えだ。」・・・リナを理不尽にこき使っている人間がまともそうな事言ってる。というような目でみんなはルナをみている。だが悠々とルナは続ける。「時代は変わったのだよ。こうでなくてはダメとかこうあるべきだなんて固執したい人間はそれをするがいい。だがそれもまた逃げではないのか?」何だろうこのジリジリ詰め寄ってくる圧力は。一見、好き放題しているような人間だがそれなりに掴んでいるようである。だが何ともいえぬ違和感は拭えない。戦闘は止んだものの見えない圧力が攻防を繰り広げているようだ。ルナの言葉に動揺をしているのかリナの頭はは言葉を廻らせている。「私は、私は・・・。」戦意を失ったように折れた槍を見つめるリナ。そんなリナの前に歩み寄り弾をひとつずつ丁寧にこめると銃口を胸に向けた。「自分に迷い込んだか。いっそのこと一度リセットしてこい。」引き金を引いた。その瞬間横から「うおりゃ!」剣が銃めがけて振り下ろされた。横で見物していたレオナルドがリナの前に立つ。「人間迷ったっていいじゃねーかよ。自分が分からなくなったってな、生きてりゃそのうち答えなんて分かる日がくるんだよぉ!」勢いよく剣を薙ぎ払った。それを避けるルナは後ろにジャンプしてかわす。「ほぅ、加勢か。面白い。迷ったもんがどれだけ集まっても知れたことよ。貴様も覚悟するがいい。」いつのまにかルナは大魔王レベルの雰囲気になっている。そうするとルナの横にライメルが並んだ。「軽く遊ぶつもりだったけどよ、本気で遊んでやらねーと失礼ってもんだよな。面白くするためにお前についてやるぜ。」流し目でルナを見て大剣を肩に担ぐ。するとリナを庇うレオナルドの横にヒナムギがダッシュで駆け寄りナイフを両手に何本か持って構えた。「私もリナさんとレオナルドさんに加勢します!弱っている人を見過ごせません!」ルナがマシィを見る。「ましちゃんはど~する~」役が抜けたかのように気の抜けた声で訊いている。「あ~人数的にるなたんの方にいくかな。」とぼとぼと歩いてルナの横に並ぶとマントをひるがえし杖を構えた。「ふはははは。この世は我々のものだ。我々の前でひれ伏すがいいー!」わっるい顔をして下手な台詞をいうマシィ。


しばしの沈黙の後みんな気を取り直してそれぞれが構える。「遠慮なく日ごろのうっぷんと鍛錬の成果を発散させてもらうぜ。」みなぎる闘志とワクワクでレオナルドは高揚しているようだ。みんなも始めての手合わせとあって緊張とワクワクが入り混じった様子だ。


「じゃあ、始めるぜ!」一斉にお互いが飛び掛った。

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